3月19日、渋谷ヒカリエにて「エモモナキア(et momonakia)」の13-14AWコレクションショーが開催された。デザイナーは城賀直人と玉城博人。1978年にリリースされた山口百恵の楽曲のタイトル、「絶体絶命」が今回のテーマ。愛人が本妻と対峙する内容の歌詞になぞらえて、女の戦いが繰り広げられる。
前半はマスキュリンなチェック柄シリーズ。コートはラペルをゴールドで切り替えたり、ワンピースはフロントをタックで造形的にデザインしたりと、アクセントを入れた。その後、プラスチックの黒いリボンの刺繍や、拡大されたレオパード柄、カラーブロックのコート、ゴージャスなファーコートが登場。女性らしいモチーフを取り入れつつも、テーラードジャケットのディテールを落とし込み、マスキュリンな印象を与えるデザインが多く見られた。モデルのヘアメイクは1人ひとりバラバラ。
クライマックスは、モデルたちが中央に置かれた椅子を取り囲んで突如スタートした椅子取りゲーム。「ヤラセ」は一切なしの真剣勝負だ。ライバルを押しのけて座った優勝者には、男性モデルからゴージャスなチンチラのコートが手渡される演出。優勝モデルはリハーサルを含み4回勝利。他のモデルからは「どこからやってくるかわからない」との声が上がったという。嫉みや僻み、悪口を含めて、正に白熱した女の戦いが繰り広げられるショーとなった。