3月1日 にパリファッションウィークでヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の13-14AWコレクションショーが開催された。会場はベルシー体育館(Palais Omnisport Paris Bercy)。デザイナーは山本耀司。
登場したモデルは全員真っ黒なおかっぱ頭。白のステッチが入った黒いロングプルオーバーとロングスカートのルックから始まり、長方形の布をアームホールに留めただけの着物のような袖が付いたトップスやジャケット、鶴が描かれた布帛のバッグなど、どことなく和のエッセンスを感じさせる。
フェルトを折り紙のように畳み、いくつもの三角形を作り出した立体的なミニドレスやバッグは左右対称のデザイン。布の緯糸を抜き、フ リンジのようにしたジャケットは、ウエストや袖が細く女性らしいシルエットで、白のマニッシュなスラックスと、山本が好むつば広の帽子を組み合わせた。
ドレススタイルはデコルテを見せ、スカートをクリノリンのように膨らませたデザインがメイン。黒のドレスは、部分的にプリーツを施した布地を交差するように重ねることで、ウエストを装飾し、フレアの流れを作り出す。ライトブルーのタンクトップとパンツには、プリーツのショールを重ねてドレスのように見せた。このプリーツの手法は、BGMにバッハの無伴奏バイオリンパルティータ第2番最終曲「シャコンヌ」を用いた05SSコレクションでも多く登場している。
ギャザーを入れたり、タックで形作ったりと、彫刻のような造形感ある服が続く。このねじったり、たたんだり、といった布のあしらいが、独特のボリュームのドレープを生む。これらの布のあしらいから、戦後日本デザイナーが世界に提示してきた日本モードへのオマージュではないかという声もシートから聞こえてきた。
そして、カラフルなニットのルックが3体。体にぴったりと沿うようなラインに、折り重ねるような肩やウエストのディテールがポイント。ラストは、ジャケットとベルボトムパンツのルックが続いた。男装の麗人風スリーピースは、太いラペルに、ピンストライプの生地でクラシックに。ピーコートとプリーツスカートというユニフォームのアイテムは、ボックスシルエットでパンツと強いコントラストを出した。指先に赤や青の爪を貼ったり、ラメ生地で切り替え、マニュキアのように見せた黒のレザーグローブが、漆黒のルックに強いカラーアクセントを生み出していた。