3月2日、パリファッションウィークで「ヴィヴィアン・ウエストウッド・ゴールドレーベル(Vivienne Westwood Gold Label)」の2013-14年秋冬コレクションショーが開催された。会場は現代美術が集まる「パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)」。
大英帝国の歴史を振り返り、クリエーションに落とし込んできたヴィヴィアンはショー直前「芸術は私の人生とクリエーションにとってとても大切なもの。このコレクションでは、偶然出会った中世写本の挿絵からインスパイアされた。そして、当時の英国に、東方の文化や思想を持ち込んだ十字軍が与えた影響にも注目した」と語った。キーワードは”歴史”、”民族”、”ストラクチャー”、そして”flou(流れるようなシルエット)”。
ブランケットのような生地のボリューミーなマントを羽織ったルックからショーはスタート。マントは、シルクサテンの優雅なものから、フロントはコートで後ろはマントになったものまで、さまざまなバリエーションで登場している。4着の白のドレスはガーリーなデザイン。
テーラードスタイルは肩が大きく張ったマニッシュなシルエットがポイント。ピンストライプのノーカラーのパンツスーツや、ビッグシルエットのコート、ブラックレザーのセットアップなど、80年代のパワフルな女性像を思い起こさせる。
プリントやジャカードニットに込められたのは、地球環境保護を訴えるメッセージ。プリントは、中世の陶器の柄だ。イタリアや、アラブから文化を持ち帰り、英国の歴史に大きな影響を与えた十字軍の東方遠征の面影は、オリエンタルなムードのゴールドのブロケードや、豪華な花の刺繍で表現された。
後半はクラシカルとアバンギャルドが絶妙にミックスされたヴィヴィアンのエレガンスを体現するドレス群。袖もスカートもふくらんだバルーンドレスに、総スパンコールのセクシーなドレス、真っ赤なシルクのドレスにチュールのスカートのビスチェドレスなど、ドレープを巧みにあやつりながら、立体的なカッティングで美しいシルエットを描いた。
フィナーレは、ピュアホワイトのマリエをまとったモデルが登場。手にしたミモザの花言葉は、「繊細な心」だ。