「ディオール オム(Dior Homme)」が、6月28日に15夏コレクションをパリファッションウィークで発表した。
コレクション製作にあたり「伝統は、次世代へ向けて維持されなければならない。困難の多い我々の時代にあっては、ラクジュアリーと我々の文明の花という伝統こそ固守しなければならないのである」という一節をムッシュ・ディオールの言葉のアーカイブの中から見つけ出した、クリエーティブディレクターのクリス・ヴァン・アッシュ。彼には、この言葉が美しいマニフェストのように響いたのだという。
ヴァン・アッシュは、アーティストや実業家など、ディオール・オムを着る男性たちに提案したい全てをコレクションに反映させた。新旧のテクニックを用いたテーラードスーツから始まり、海をイメージしたボーダーのアイテム、ストリートアートを想起させるプリントや刺繍のブルゾン、先述のムッシュ・ディオールの言葉をジャカードでグラフィカルに配したスーツなど、様々なアイテムを盛り込んだ。
クラシックなホワイトシャツとパンツには、戦前まで着用されていたオールインワンの水着を思わせるボーダーのニットベストをコーディネートし、クラシックとモダン、フォーマルとスポーツといった両極の要素をさりげなく一つのスタイルにまとめあげている。それは他の多くのルックでも見られ、コレクション全体を通してそのバランスの妙を表現し、我々に新しい方向性を提示していた。