イッセイ ミヤケ パルファムは、男性用新香水「ニュイドゥ イッセイ(NUIT D'ISSEY)」を10月8日に発売する。日本での発表会のために来日したボーテ プレステージ インターナショナル社イッセイ ミヤケ パルファム インターナショナル マーケティング ディレクター、アニエス・サタン(Agnes Satin)さんにイッセイ ミヤケ パルファムでの取り組みや香水の楽しみ方などを聞いた。
--イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)のクリエーションをどのように香水に表現するのでしょうか。
ブランドイメージからイッセイ ミヤケの関係するさまざまな仕事、最新のニュースまで、すべての情報を集め、香水作りに生かしています。コラボレーションによって、イッセイ ミヤケというブランドの世界観を翻訳し、具体的な香水にすることが私達の仕事と言えるかもしれません。
--イッセイ ミヤケの香水を創るときに重視していることは何ですか。
イッセイ ミヤケらしいシンプルな香水であるということです。もちろん、それは単純なという意味のシンプルではありません。たくさんのものの中から選び抜かれたもの、洗練されたものだけが持つシンプルです。また、ブランドのアイデンティティとなる一貫性のある香りを構築することやコントラストも大切です。『自然はもっとも素晴らしい香水』というコンセプトが示すように、イッセイ ミヤケの香水を創る上で自然との関わりは無くてはならない、最も大切なものです。でも、『これはバラの香りだな』、『これは森のだな』とすぐにわかるような、自然の香りが主張しすぎるようなものであってはいけません。
--イッセイ ミヤケはこれまでもロードゥ イッセイなどでいくつかの男性用の香水を発表していますが、新しい香水とこれまでの香水との違いは?
今回は新しい2人の調香師(ドミニク・ロピオン氏とロック・ドン氏)を起用しました。自然というイッセイ ミヤケのアイデンティティを尊重しながら、これまでとは違う新しい視点を取り入れた香水を創りたかったからです。具体的な香りについては、これまでの香水に比べてレザーの香りが主張しているということが特徴になっています。
--男性用の香水と女性用の香水では作り方やこだわりの違いはあるのでしょうか。
それは非常に難しい質問です。男性と女性は違うので、一般的には男性用の香水と女性用の香水を創る方法は違いますが、イッセイ ミヤケの香水はスタンダードな意味での男性的なイメージや女性的なイメージを香水という形で表現するようなことは一切していないからです。先ほども言ったように、まず、自然に着目し、感情(EMOTION)や体験を香りを通して提供していく。既製の男性像や女性像では無く、つけることによって、より自分が自分らしくいることができるというのがイッセイ ミヤケの香水の考え方なのです。
--以前と比べて増えているとはいえ、ヨーロッパの男性と比べると、日本では香水を使用する男性はまだ少ないと思います。日本の男性、特に若い男性に香水の楽しみ方をアドバイスするとしたら、どんなことが言えますか。
私自身10代の子供がいるので、親の観点からということでお答えします。グループの中に属したいと思う気持ちがある反面、自分のアイデンティティを主張したいというのが若い人たちの特徴だと思います。香水をつけるというのは自分自身のアイデンティティを表現したり強調したりするための一つの方法です。 ベースボールキャップをかぶったり、ナイキのスニーカーを履いたりするのと同じように、自分の好きな香水をつけることでも、自分が自分であることを主張することが出来るのです。若い人はアイデンティティがまだ完成されていませんし、常に自分自身を探し、アイデンティティを構築しているものですが、『ニュイドゥ イッセイ』を付けることによって自分自身を深く見つめ、アイデンティティを見つけることが出来るでしょう。
--日本の女性に対しては?
香水は服などとは違い一日中、24時間纏うことが出来るものですが、アクセサリーとして香水を使う楽しみ方もあります。実は、フランスなどヨーロッパでは男性と女性で香水の使い方が若干違うのです。たとえば、男性の場合は、シャワーを浴び、香水をつけて、それから服を着るという順番ですが、そこには 衛生的な意味とともにパンチを加えるというような意味もあります。それに対して、女性の場合はシャワーを浴び、服を着て、それから香水をつけます。つまり、フランスなどでは女性は香水をアクセサリーの代わりに使って楽しんでいるのです。日本の女性もアクセサリーを変えるようにいろいろな香水を楽しんではいかがでしょうか。