大麻生地が復活。「麻世妙」エイベックスからデビュー。三越伊勢丹と商品化へ

2014.10.23

エイベックス・グループ・ホールディングスは、大麻布を使用した生地ブランド「麻世妙 majotae(まよたえ)」をスタートした。エンターテインメントの領域に留まらず、文化領域でも新しい感動体験の創造を目指し、今までにないビジネス開拓に挑戦する。

古来より日人の生活に欠かせない存在だった大麻布だが、原料が有害物質を含むことから第2次世界大戦後に国内栽培を制限され、更に大麻繊維が紡績に適さず工業化に乗り遅れたことで、現在では全く一般流通していない。麻世妙は、そんな日本人が忘れてしまった大麻布を現代に蘇らせたファブリックブランドだ。幻覚物質を含まない無害な大麻を原料に使用。通常麻布というと固い風合いだが、麻世妙は柔らかく、速乾性・保温性・耐久性に優れる。

“大麻布をもう一度、日本のスタンダードファブリックに”という指針のもと、自然布研究家である近世麻布研究所所長の吉田真一郎、京都帯匠誉田屋十代目の山口源兵衛、そしてエイベックス・グループの三者がタッグを組み誕生した。

これに伴い10月23日から25日まで、代官山ヒルサイドフォーラムで「麻世妙展 日本人が忘れていた布」を開催。同展では、麻素材の権威である吉田所蔵の麻布や、麻世妙を使って山口が作り上げた作品が展示されている。

22日に行われた発表会において、エイベックス・グループ・ホールディングスの竹内成和代表取締役は、「エイベックスは創業から数々のヒット作や流行を世に送り出し、現在は音楽・映像に留まらず“感動体験を創造する企業”へと進化を続けている。麻世妙は吉田さん、山口さんとの出会いをきっかけに、その麻布に対する熱い想いに動かされ挑んだプロジェクト。これは文化事業を担い自社の企業価値を上げると共に、エイベックスの名をより広げていく意義も持つ。3年半の年月を掛け、大麻の抱える法的問題や工業化への課題をクリアし、共感を得た三越伊勢丹ホールディングスとタッグを組むことで、製品化への道筋が開いた」と、これまでの経緯を説明した。

また三越伊勢丹の大西洋社長は、「麻世妙に触れ、これまでの麻のイメージが180度覆った。綿や絹の良さに加え、麻本来の特性を両立した素晴らしい素材である。日本にはまだまだ良いものがあるにもかかわらず消費者に届いていない。三越伊勢丹には、麻の魅力を世界に発信していくミッションがある。商品企画は現在進行している最中だが、衣類に留まらず家具やファブリックなどライフスタイル型での提案を視野に入れており、来年3月には店頭でお披露目する予定」とコメントした。


イベント情報】
麻世妙展 日本人が忘れていた布
会場:HILLSIDE FORUM
住所:東京渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟
会期:10月23日から10月25日
時間:9:00から21:00
入場無料
畑 麻衣子
  • 大麻布を使用した「麻世妙 majotae(まよたえ)」で製作された和服
  • 麻世妙展会場の様子。誉田屋源兵衛による作品が展示されている
  • 誉田屋源兵衛による麻世妙 の作品「富士」
  • 日本の最新紡績技術で大麻を糸にし、布に仕上げた「麻世妙」の生地
  • 麻世妙プロジェクトメンバー。(左から)京都帯匠誉田屋十代目山口源兵衛、三越伊勢丹HD大西洋社長、エイベックス・グループHD松浦勝人社長CEO、近世麻布研究所吉田真一郎所長、エイベックス・グループHD竹内成和代表取締役
  • 麻世妙 majotae(まよたえ)
  • 誉田屋源兵衛による麻世妙 の作品「麻の葉」
  • 「乾くのが速く、清涼感があり、強靭だが柔らかい。保温性が高い」という大麻布の特長を活かした「麻世妙」の生地
  • 麻世妙展会場の様子
  • 会場には大麻布についての歴史がパネルで説明されている
ページトップへ