東京・六本木の東京ミッドタウンで秋のデザインイベント「東京ミッドタウン デザインタッチ(Tokyo Midtown DESIGN TOUCH)2014」が10月17日から始まった。11月3日まで。
本イベントは、「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトに、東京ミッドタウン各所で様々なデザインやアート、コラボレーション企画が展開される催し。今年のテーマは「デザインのスイッチ」だ。身近にあるモノやコトにプラスするだけで日常が素敵になる「デザインのスイッチ」を刺激する、多彩なコンテンツが実施される。
メイン会場となる芝生広場「スワリの森」にずらりと登場したのは、科学とデザインが生んだちょっと変わったイスたち。本会場は「科学の楽しさをすべての人に」を合い言葉に掲げる創造集団・ガリレオ工房の科学的な観点を下に、クリエーティブディレクター・古屋遥がディレクションを行った。
古屋自身でデザインした、真っ赤なハートモチーフが目を引く「ハートバランス!イス」は重力に着目して制作されたイスだ。2人で心地良く座るには絶妙なバランスが必要で、お互いのコミュニケーションをより深めるという意図が込められている。アーティストの鈴木康広がデザインした「日本列島のベンチ」は座ることで実際の日本列島の方角・傾度が分かるベンチ。太陽の動きや、北海道から九州まで緩やかに弧を描いていることまでが体感出来る。その他、「座ってあたためるイス」や「自分のからだを持ち上げるイス」など、個性豊かな全12脚がそろう。
開催日の17日に会場へ訪れた古屋氏は、「普段デザインに触れる機会の少ない方のデザインスイッチを押したいから、日常で誰もが行う“座る”という行為に着目した。なんの先入観もなく座って、そこで初めて気が付く驚きや楽しみを体感してほしい」と話す。
そのスワリの森に併設された「森の学校」では、期間中の土・日曜日に様々なクリエーターを講師に招く「青空教室」が開校。原研哉の「スイッチの入れ方」講義や、デザイナー山懸良太の「表現する服、着られる服」など、濃厚な90分の授業が用意されている。各回定員制となっており、いずれも無料(一部参加費あり)。現在、ウェブマガジン「六本木未来会議」にて予約を受け付け中。また、毎日11時から18時(※雨天中止)の間には開館される「森の学校の図書館」が開館する。こちらでは、総勢50名のクリエーターが選んだ“デザインのスイッチを押してくれる”1冊を誰でも自由に芝生でゆっくりと読書を楽しむことが出来る。
更に、東京ミッドタウン内にあるアトリウムスペースでは、17日から26日までの期間、「ミラノサローネ」で活躍する日本人に焦点を当てた「サローネ イン ロッポンギ」も開催。今年はデザイナー吉岡徳仁の新作「SPARKLE」を用いた「SPARKLE LOUNGE」を披露し、誰でも自由に吉岡の作品に触れられる憩いの場を提供する。
その他、「東京ミッドタウンアワード2014」の受賞作品展示スペースや、8名の建築家による「MAKE HOUSE―木造住宅の新しい原型展―」など、様々なクリエーティビティーを刺激するコンテンツがラインアップ。会場にて配布されるイベントガイドを片手にミッドタウンで芸術の秋を満喫するのはいかがだろう?
【イベント情報】
Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014
場所:東京ミッドタウン
住所:東京都港区赤坂9-7-1
会期:10月17日から11月3日