現代美術家のマイク・ケリー（Mike Kelley）は1954年10月27日生まれ。アメリカ合衆国・デトロイト出身。2012年1月31日逝去。

76年にミシガン大学を卒業した後、カリフォルニア芸術大学へと進学。ノイズバンド「デストロイ・オール・モンスターズ」のメンバーとして活動する傍らで、彫刻や絵画、パフォーマンス、インスタレーションなど、現代美術の創作活動に没頭する。それらの多くはフロイトの“抑圧症候群”をテーマとしており、アメリカのポップカルチャーの陰に抑制された混沌に着目していた。

80年代入ると、ケリーは使い古したぬいぐるみを用いたシリーズ「Half a Man」の制作に取り掛かる。それは、どこか不気味で、不吉で、時には恐怖を感じさせたが、それが多くのアートファンに注目された。88年にはキャンバス一杯に動物のぬいぐるみやファブリックをコラージュした「返済できないほどの愛の時間」を発表。後の代表作となる。

これらの活動が評価され、03年にはジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団奨学金賞を、06年にはヴォルフガング・ハーン賞を受賞。アメリカを代表する現代美術家の1人として高い評価を受けるが、12年に自宅で死亡している姿が発見されている。

14年には米国・ロサンゼルス現代美術館でマイク・ケリー大回顧展「ポップ・カルチャーとカウンターカルチャーの融合」が開催された。