ワールドは6月17日、同社北青山ビルでタケオキクチ30周年コレクションエキシビションを行った。今年4月に30周年を迎えたのを機に、上質化、大人化をキーワードに一層のブランド価値向上を図る。14-15AWコレクションと30周年記念コラボレーションアイテムを展示し、ブランドの新しい方向性と世界観をアピールした。
「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」は1984年にワールドへ移籍した菊池武夫がスタートしたブランド。DCブランドの先駆けとして常に東京のメンズファッションをリードしてきた。
14-15AWはターゲットをこれまでの団塊ジュニアから40代を中心にした大人の男性に引き上げている。それに伴い、スーツやジャケットはインポートなどの上質な素材を増やし、体型変化に対応してサイズ展開も広げている。カジュアルなアイテムも40代を想定し、シルエットを見直した。また、秋冬から1年間30周年記念ロゴマークを使用する。
一方、30周年記念コラボレーションは菊池と親交のあるミュージシャン・布袋寅泰とのコラボレーションなど、9月から2ヶ月ごとにテーマを決め、限定アイテムを販売する。9・10月はテーラードをテーマに、「ハーディ・エイミス(Hardy Amies)」とのコラボレーションによるチェスターフィールドコート、同ブランドのクリエーティブディレクターを務めていた信國太志が手掛けたセットアップなどを販売。ブランドスタート当時に販売していた白いシャツは織りネームはそのまま、シルエットなどを進化させて復刻する。
11・12月はブリティッシュをテーマに、布袋とコラボレーションしたジャケット、ネクタイ、ポケットチーフ、マフラーなどの他、「モンゴメリー(MONTGOMERY)」の代表モデルWINDSORのダッフルコート、タケオキクチオリジナルポーチに入れた「ディーアールハリス(D.R.HARRIS)」のグルーミングセットなどを発売する。
15年1・2月はメード・イン・ジャパンをテーマに、「白山眼鏡」に菊池が愛用するラウンドクラシックを別注した眼鏡や、「プーマ(PUMA)」のコートスターを日本生産で別注したスニーカーを用意する。
その他、9月から1年間、タケオキクチが初めて手掛けるファッションムービーを発信するほか、今後も30周年を記念して様々な企画を計画しており、30周年を記念したファッションショーを行う予定もあるという。
菊池氏は、「30年というのは短いようで長い。ブランドとしては成功していると思うが、今回は30周年を機に、未来に向かってどうすべきと考えているのか見てもらいたかった。世の中が変わり、メンズファッションもスーツとネクタイからカジュアルに変わった中で、タケオキクチというブランドがどうするべきなのか、上質化をどう具体的に提案できるのかということはきちんと表現できたと思う」と説明。
また、自身のデザイナーとしての活動について、「原宿の旗艦店(タケオキクチ渋谷明治通り本店)にアトリエがあるし、多分、死ぬまでやっているかな」と話した。