東京・青山に新しいファッションスポットがオープンした。ショップ「アイドル(IDOL)」ディレクターの畑仲英司がトータルディレクションを務めるセレクトショップ「アイコン(ICON)」(東京都渋谷区神宮前5-39-1)だ。
クリエーティブ・ブランディング・スタジオ「エロティカ・トーキョーパリ(EROTYKA TOKYO PARIS)」のティファニー・ゴドイ(Tiffany Godoy)とトモユキ・ヨネズ(TOMOYUKI YONEZU)が、ビジュアルアイデンティティーとトータルクリエーションパートナーとして参加。元々住宅だった一軒家をまるごとリノベーションし、「家をつくる」というコンセプトで企画されたショップは、七つの部屋で構成。各部屋にはそれぞれ異なるテーマで商品が紹介される。
吹き抜けの玄関入ってすぐの靴棚には「アディダス・バイ・ラフ・シモンズ(adidas by Raf Simon)」や「ウミット・ベナン(UMIT BENAN)のスニーカーなどが並ぶ。その右手の”ダイニングルーム”は「ピエスダナルシヴ(PIECE D’ANARCHIVE)」のポップアップショップが登場。デザイナーのインスピレーション源となった日本のお香やキャンディーなどもディスプレイされている。
元々ガレージだった”ポップアップルーム”は、「クリスヴァンアッシュ(KRISVANASSCHE)」のポップアップショップを開催中。9月23日まで「ケイスリー・ヘイフォード(Casely-Hayford)」のインスタレーションも開催している。
地下のベッドルームは、”ライブラリー”。「トゥエルブブックス(Twelvebooks)」がセレクトした写真集や本が本棚やベッドの上に置かれ、デスク上にはステーショナリーが並ぶ。また、トーキョーダンディー(Tokyo Dandy)のジョー(Joe)がスタートしたばかりの「カジュマル(KAJYUMARU)」のTシャツコーナーには、ジョーの等身大パネルが飾られている。
隣の”パウダールーム”には「ナーズ(NARS)」のコスメやクリエーティブヘアサロン「ザ・オーバーシー(THE OVERSEA)」のヘアバター、「ザ・ランドレス(THE LAUNDRESS)」のファブリックケアアイテム、付ける人によって香りが変わる話題の香水「エセントリック・モレキュールズ(escentric molecules)」など、畑仲やゴドイらの愛用商品が紹介されている。
メインとなる1階の”リビングルーム”には大きなテーブルを配置。畑仲らがセレクトした洋服と共に、窓際やベンチには『ミスターハイファッション』や『ヴォーグ』などの古雑誌が置かれ、友達の家に遊びに来たときのような雰囲気を演出している。
店内至る所に飾られているのが、ザ・オーバーシーとニューヨークのフォトグラファー、ティム・バーバー(Tim Barber)との協業による写真作品。バーバーが世に出るきっかけとなった作品も展示販売されている。
「”ハウス”をテーマに、ただ洋服を売る・買うという場ではなく、趣味の合う友達の家を訪ねたときのような空間にすることで、ふと目に着いた商品について『これどこで買ったの?』などという会話が自然にはずむような場所にしたかった」と、畑仲氏は話す。
これまでグラフィックや空間プロデュースなどの分野で活躍してきた畑仲氏だが、実は、中学生の時に雑誌で見た「アンドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)」のビジュアルに衝撃を受けたことが、この世界に入るきっかけとなったのだという。
そして、カフェやスタジオなども併設する「アイドル(IDOL)」のオープンから1年経ち、自身のキャリアのルーツでもあるファッションを礎にしたショップをプロデュースしたいという思いに自然と辿り着いた。
「洋服を作るのが好きな母親の影響もあり、少年時代は家にあったコレクション雑誌を夢中で読み漁り、ファッションへと傾倒していくようになった。セレクトの基準は、洋服の見た目のみならず、デザイナーの服作りに対する姿勢など、商品の背景に共感できる点があるかどうか。気の合う友達に思わずすすめたくなるような等身大のスタイルを提案している」と同氏。
今後はフードの提供やオリジナルキャラクターの制作、新たな分野のクリエーターやショップ「アイドル」とのコラボレーション企画などを構想しているという。
営業時間は12時から20時。