若者人気はリラックスウエア、カジュアルに着こなす「ワントーンコーデ」【パリスナップ】

2021.03.18

フランスで初めてのロックダウンが施行されたのは2020年3月中旬。1年の間に外出禁止、マスク着用、飲食店の営業停止と何度も規制が敷かれ、生活は激変。3月1日から10日に開催された2021-22年秋冬シーズンのパリファッション・ウィークは、ウィメンズでは初となる完全デジタル形式での開催となった。加えて、2020年10月下旬からは、夜間外出禁止(18時〜翌朝6時)と、飲食店と2万㎡以上の商業施設百貨店など)の閉鎖、公共の場でのマスク着用が必須といった状況に。もちろん、今季は海外からの渡航者はほぼなく、フィジカルなショーも開催されなかったことから、例年のようなオフランウェイの光景を見ることは出来なかった……。

コレクションでは、“プロテクション”や“コンフォート”といった、ポストパンデミックの生活と着る人の気持ちに寄り添うキーワードが浮上。そんな装いの変化は、ファッション業界人のみならず、地元のパリジェンヌからも既に伺える。そこで今回の【パリスナップ】では、週末のマルシェヴィンテージショップ巡りを楽しむリアルなパリジェンヌのスナップをお届け!

パリコレのオフランウェイでよく見かけるセットアップやジャンプスーツ。ここ数シーズンは特にオフィスウエアとして人気を高め、街中でも見かける機会が多かったものの、テレワークが進み自宅勤務を続けるパリジェンヌが多い今、出番は少なくなっている模様。そこで変化したのが、学生から社会人にまで幅広く着られている、“ワントーン”で全身の雰囲気をまとめた“セットアップ風”のコーディネート

1. テネシー・ガロー(学生)


白シャツ、白ニット、白デニムのワントーンコーデに、ヴィンテージのレザージャケットスニーカーを合わせたカジュアルな通学の装いを見せてくれたテネシー。性差を問わないジェンダーレスな志向が強いZ世代らしく、メンズアイテムを上手にミックスしている。


2. アリッサ・カスティネル(学生)


着心地の良さそうなカーキ色のセットアップで週末の買い物を楽しむアリッサ。今季“コンフォート(快適性)”は、パリコレで欠かせないトレンドとして多くのブランドが新たな提案を加えていて、彼女のようなリラックスウェアは秋冬にたくさん出てきそうな予感。パンデミックの最中、自宅で過ごす時間が増えた名残りで、洋服に求める条件として、“コンフォート”が必須になっていくのもニューノーマルの片鱗。


3. オアービ・ノーア(学生)


オアービは、レザージャケットに丈長めのワイドパンツ、厚底のブーツでブラックのワントーンのストリートスタイル。まとめた髪型も含めて、若者に大人気のスーパーモデル、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)の私服っぽい。晴天に恵まれたこの日、中に着たのは、へそ出しのショート丈トップス。


4. ジャスティーヌ・ベルジェ(学生)


弁護士を目指して法学部で学ぶジャスティーヌは、フォーマルなスタイルが好みなのだとか。テーラードジャケットと同カラーのボトムスを合わせて、グレーの落ち着いたトーンでまとめて大人っぽい印象。差し色となったイエローのヘルメス(Hermes)のケリーバッグでより一層大人っぽく!


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【プロフィール】
ELIE INOUE
パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける。主な寄稿媒体はFASHION HEADLINE、WWD Japan、ELLE Japan等。


ELIE INOUE
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