指揮者の小澤征爾は1935年9月1日生まれ。中国・シャンヤン(旧奉天)出身。
幼い頃からピアノを学び、高校時代にチェロ奏者・指揮者である斎藤秀雄の下で指揮を学んだ。59年秋、フランスで行われたオーケストラ指揮者国際コンクールで第1位を獲得。当時ボストン交響楽団の音楽監督で、このコンクールの審査員でもあったシャルル・ミュンシュに翌夏タングルウッド音楽祭に招かれ、そこでバークシャー・ミュージック・センターの最高位賞、優秀な学生指揮者に贈られるクーセヴィツキー賞を獲得した。
その後西ベルリンでヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。レナード・バーンスタインの目にとまり、61年から2年間、ニューヨーク・フィルの副指揮者を務めた。73年ボストン響の第13代音楽監督に就任。アメリカのオーケストラ史上で異例の29年という長期に渡り同職を務め、アメリカ国内はもとよりオーケストラの評価を国際的に高めた上、世界最高のオーケストラの一つとの評価を確立した。
2002年のニューイヤー・コンサートでは、日本人として初めてウィーン国立歌劇場の指揮台に登場、その模様は世界65ヶ国に中継された。同年秋から2009年まで、同歌劇場の音楽監督も務めた。
日本では、秋山和慶とともに恩師である齋藤秀雄を偲んで、1984年に開催した齋藤秀雄メモリアルコンサートを基礎にサイトウ・キネン・オーケストラを設立。2010年から食道がんの治療を受けており、12年3月から活動を休止していたが、先月23日の「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で本格復帰を果たした。