3月7日、ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーによるエルメス(HERMES)は、18世紀建立のギャルド・レピュブリケンヌ(フランス共和国親衛隊の本部庁舎)の中にある馬場を舞台に16-17AWウィメンズコレクションのショーを開催した。
馬具工房として出発しているエルメスらしい会場のセレクション。粗野でありながらピュア、素朴でありながら洗練されているもの、そんな相反するキーワードを掲げた。
最高級の素材を前面に出すためにシンプル&クリーンなシルエットにまとめるが、ドロップショルダーなど今季トレンドを巧みに取り入れて、モダンなエルメス像を見事に描いて見せた。コットンシルクのキルティングドレスや、ダブルフェイスのカシミア素材の切り替えしドレスなど、シンプルながら高い技術を要求されるアイテムばかり。
ドロップショルダーのニットジャケットや、ムートンのフード付きコートなどには、アブサント・グリーンやブライトン・ブルーのハイネックニットをコーディネートして差し色にしている。彫刻的な美しさを見せる、重厚ながらもしなやかなニットのコートや、エルメスらしいスカーフプリントを梯子レースでつなぎ合わせたドレス、数千個のスタッズを打ったカーフスキンのコートなど見所も多い。
最後を飾った、ストールを思わせるバンダナ柄のジャカードのシルク素材とニットを組み合わせたシンプルなドレスも秀逸。