毎週木曜日に連載企画「今読むべき1冊」を担当いただいている、東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)に、2016年もたくさんの書籍をご紹介いただきました。
今回は1年の締めくくりに、ナディッフ アパートの5人のスタッフが“2016年発行の書籍の中から選んだベストオブブック”を31日まで毎日1冊ずつお届けします!2日目は、スタッフTさんが選ぶ2016年ベストオブブック。
■『ひかり埃のきみ 美術と回文』福田尚代
『ひかり埃のきみ 美術と回文』は、本や手紙、消しゴムといった、言葉をめぐる“もの”を使った作品と、《はじめからも終わりからも読むことのできる言葉》を作り続けている福田尚代が、初めて出版社から刊行した書籍だ。
福田の回文は、言葉の意味を掴もうとすればするほど、指の間をすり抜けていくような不思議な存在感がある。《はじめからも終わりからも読むことのできる言葉》という美しい循環の中に身を委ねてみると、読む人それぞれに響く言葉があるだろう。私がお店でお話をしたお客さまは、ご友人の妊娠祝いのギフトとして本書を買っていかれた。手紙を送るように、福田の綴る言葉にこっそりと想いをこめて、大切な人にこの1冊を贈ってみてはいかがだろうか。
【書籍情報】
『ひかり埃のきみ 美術と回文』
出版社:平凡社
212頁/A5判
発売日:2016年11月
価格:2,800円
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