イギリス出身のアーティスト、イアン・ベリー(Ian Berry)が画期的な方法で作品を創り出している。彼の作品は、一見すると青いトーンに加工された写真か、インディゴ色に塗られた油彩画と見間違えられるが、実は全てデニム生地を材料として描かれたものだ。
制作方法はシンプルで、デニムを切り糊で貼っていくだけで完成させていく。イアンが語るには、写真やパソコンのスクリーン越しでは作品の良さは伝わらないのだそうだ。実際に作品を目の前にして近くで見ることで、その深さやテクスチャーの雰囲気を感じ取れるという。いかに細かく、また考え抜かれジーンズのウォッシュの具合や濃淡を駆使し、写真のようなトーンを表現しているかも見ることが出来る。デニムがアーバンな素材であるため、アーバンな生活の場面を表現するために最適なのだそうだ。
様々な濃さのジーンズが積まれている所を見て、そのブルーの濃淡のコントラストに気付き思いついたというこの技法。その技法を使いイアンは多数の作品を作り上げてきた。ロックバンドブロンディ(Blondie)のデボラ・ハリー(Debbie Harry)やファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)、F1レーサーのアイルトン・セナ(Ayrton Senna)など著名人のポートレート作品から、日常の風景の一場面を切り取った作品集などを制作し、各方面から賞賛されている。
16年11月にエキシビション、「Behind Closed Doors」をロンドンで開催した。イアンは日本でもエキシビションを開催したいと願っているので、実物が見られるチャンスが来るのは、そう遠くないかもしれない。
※本記事は (引用元: http://www.ianberry.org/) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。