エディ・スリマンによるサンローラン(Saint Laurent)は、前回同様、3区にある元市場のイベントスペース、カロー・デュ・トンプ ルを会場にショーを開催した。
最前列にはゲイリー・オールドマンやピアース・ブロンスナン等俳優陣の他に、レニー・クラヴィッツ、そしてフランスの国民的ロックシンガー、ジョニー・アリデイ夫妻が並び、2016春夏メンズコレクションのとりにふさわしく華やかな空気が漂う。
披露されたコレクション「SAINT LAURENT COLLECTION XIX」もセレブリティー達に負けないグラマラスな雰囲気。今シーズンは、現代のカルフォ ルニアのサーフ・ミュージックから着想を得て享楽的なコレクションを見せた。エディ・スリマンらしいロック的な雰囲気を漂わせながらも、ポルカドットやフローラルモチーフなどを散りばめて、前シーズンのフェミニンなムードに可愛らしさも加えている。
オーソドックスなスーツやGジャ ン、ライダース、迷彩のミリタリージャケットなど、アイテムの種類は今シーズンのメンズコレクション中でも随一だが、中でも目立っていたのが今季キーアイテムであるスタジアム・ジャンパー。クチュールメゾンらしい精緻な刺繍で彩られた、溜息が出る ほど美しいジャンパーも登場した。
シルエットはシンプルだが、ディテールや素材に凝ったアイテムばかりが矢継ぎ早に登場し、最後まで観る者を圧倒し続けた。