6月27日、ケンゾー(KENZO)がパリのメンズファッションウィークにてショーを行った。大きな岩の間を縫うランウェイには砂や小石が敷き詰められ、荒涼とした未開の地を思わせる。砂漠に不時着したパイロットさながら、まだ見ぬ景色に出会う未知なる放浪の旅が始まった。
ボックス型のシルエットに落とし込んだのは、デザイン性を兼ねた機能的な素材。テントやパラシュートに似た布地や、風通しの良いレザーメッシュ、紙のごとく超軽量なナイロンや、防水加工、シワ加工を施したコットンなどを、周囲に溶け込むカモフラージュ調のカラーパレットに落とし込んだ。ベージュや日焼けしたイエロー、石のようなグレーにブラウン。サボテンとその花を彷彿とさせるグリーンやフューシャピンクを散りばめた。
一際目を引くのは、月面図や砂の波形、誇張されたサボテンなどのオリジナルプリント。立体的なフォルムとボリューム感のサボテンニットや大きく『Pull』と書かれたニットやTシャツも異彩を放つ。
細やかなこだわりは、Xマークのステッチや、Dカンを多用したディテールなど随所に感じられる。形の変わるパラシュートバッグ、ボリュームのあるソールが強度を表現するクロスストラップのサンダルやデザートブーツ、地球のように丸いフレームのサングラスなど、アクセサリーの雰囲気もコレクションを一層引き立てている。