ザ・ウールマーク・カンパニー(The Woolmark Company)は7月17日、東京・港区の虎ノ門ヒルズで「インターナショナルウールマークプライズ(International Woolmark Prize=IWP)2014-2015アジア地区大会」を開催する。5月30日に都内で記者会見が行われ、日本代表デザイナーとしてアジア地区大会に参加する「アンベル(AMBELL)」の門野文蔵、「モトナリオノ(motonari ono)」の小野原誠、「シセ(Sise)」の松井征心の3人が意気込みを語った。
インターナショナル・ウールマーク・プライズは、メリノウールの特性をファッショナブルに表現できる新進デザイナーに贈られる賞。1954年の第1回でカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とイヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)が選ばれたことで知られている。その後名称や形態を変えて継続されていたが、メリノウールが進化し、アイテムも多様化する中で高級アパレル市場にアピールする狙いから2012年に本格復活。復活3年目となる今回から初めてメンズ部門がスタートすることになった。
会見で門野文蔵氏は「生活に密着した素材であるウールをより深く掘り下げ、ウールの新しい解釈を見せたい」。昨年に続く2回目のチャレンジになる小野原誠氏は「一宮のメーカーと取り組んでいるが、廃業するメーカーなども多い。こういうチャンスを活かし、日本のもの作りを盛り上げられるようにがんばりたい。前回は力を入れすぎてしまったが、今回は売ることやビジネスも考えてデザインしている。クリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)も2回目の挑戦で優勝しているというし、がんばりたい」とコメント。メンズ部門で選ばれた松井征心氏は「メンズは1回目だし、クリエーションはもちろんビジネス感覚も審査の対象になるということだが、若手デザイナーの中ではビジネス感覚はある方だと思っているので楽しみにしている」と話した。
また、会見には今回からインターナショナルウールマークプライズのリテールパートナーになった三越伊勢丹の中川一婦人服子供服統括部付部長も出席。「お客様にいかに価値の高い商品を提供できるのかを常に考えているのでリテールパートナーになったことを光栄に思っている。三越伊勢丹では日本の良いものを知ってもらうキャンペーンに取り組んでいるが、3人にがんばって優勝してもらい、店頭で展開したい」とエールを送った。
なお、地区大会はアジア、オーストラリア、ヨーロッパ、インドおよび中東、アメリカの五つのエリアで行われ、各エリアでメンズとウィメンズの代表デザイナーを決定。メンズの5組のファイナリストは、来年1月にロンドン・メンズ・コレクション期間中に開催される世界審査会に出場。ウィメンズの5組のファイナリストは3月に北京で行われる世界審査会に出場する。
メンズ、ウィメンズそれぞれの世界審査会優勝者には、商品の素材購入とコレクションのサポートとして、10万オーストラリアドル(約946万円)が贈られる。また、優勝者のコレクションは英国のハーベイ・ニコルスや中国のジョイス、米国のサックス・フィフス・アベニュー、フランスのコレット、イタリアのディエチ コルソ コモ、マイテレサ・オンライン、オーストラリアのディビッド・ジョーンズで販売される。日本での販売は伊勢丹新宿本店となる見通し。