ダイエット・健康の新常識「ロカボ」とは?朝ドラ「まれ」製菓監修・辻口シェフも注目

2015.07.25

ダイエットや健康への関心が高い人を中心に、今、巷の注目を集め始めているキーワードがある。“低糖質食”を意味する「ロカボ」という言葉だ。

「ロカボ」とは、糖尿病の治療食としても採用されている糖質制限=ローカーボよりも、より緩やかな糖質制限を提唱する呼称として北里研究所病院糖尿病センター長でもある山田悟氏が代表理事を務める食・楽・健康協会が提唱するもの。

糖尿病になると、空腹時はもちろん、食後には特に著しく血糖値が上がるため、食事で摂る糖質の量を少なくして、血糖値をあげないよう注意しなくてはならない。そこで、低糖質な食事をいただくわけだが、糖質が少ない食事は、糖尿病の改善のみならず、肥満の予防や解消にも効果があるという。しかも、や魚を控える必要がないので、食べることが大好きな人でも気軽にチャレンジすることができるのが大きなポイントだ。

より明確な定義について、「ロカボ」の提唱者としても知られる、医学博士・山田悟氏は以下のように語る。

「私が提唱している『ロカボ』は、1日に食事から摂る糖質量を合計130g以下にしようというもの。これなら、朝・昼・晩の食事で各20~40g、そしておやつで10gの糖質を摂取できます。気を付けるべきは糖質のみ。血糖値を上げないタンパク質や油脂はたっぷりいただいて構いません」

ちなみに、主な主食の糖質を紹介すると、うどん1玉=52g、バゲット1切れ=15~20g、食パン6枚切り1枚=27g、ごはん1膳=55g。つまり、主食の量を減らすことが「ロカボ」の実践に繋がる。

「主食を少なく」と聞くと物足りなさを感じるかもしれないが、「ロカボ」の浸透は、国民の健康な身体作りに役立つことは間違いない。そこで、ブーム到来に先駆けて開催されたのが「ロカボグルメフェスティバル」。7月17日、18日の2日間に渡って、丸ビルで開催された同フェスティバルのオープニングショーには、山田博士と、オリジナルのロカボフード・ロカボスイーツを考案している辻口博啓シェフ、中尾崇宏シェフ、鎧塚俊彦シェフが登場した。

低糖質のチョコレートを考案した辻口シェフは「前回のバレンタインに販売したところ、宣伝していないのにすごく売れ行きが好調だった。女性たちが彼氏の健康を考えている証拠なのでは」と考察。さらに中尾シェフは「ここ数年、糖質に気をつけないといけないお客が増えているので、うちの店でも低糖質なコースを用意している」と明かした。

また、鎧塚シェフは、「我々は味を確かめるためにも食べることが仕事の一部。摂り過ぎたカロリーを落とすためにはどうするのがベストか知りたい」と山田氏に質問。運動をすすめる山田氏に対して、「でも運動するとお腹が空くんだよね…」と辻口シェフが横やりを入れて、ステージを見守る人々の笑いを誘う場面も見られた。

ステージ脇には、協賛企業であるキリン株式会社や江崎グリコ株式会社、株式会社ローソンなどがブースを連ね、各社の「ロカボ」商品をPR

淡麗グリーンラベルシリーズをはじめとする低糖質飲料が好調のキリンは、「昔は、ダイエット飲料といえば、味わいというより、健康のために我慢して飲むものもというイメージだった。現在では味わいや喉越しもよく、なおかつ健康にもよいという点が支持されている」とコメント。

ローソンで人気の「ブランパン(=ふすま配合の低糖質パン)」に国内産小麦ふすまを提供している鳥越製粉株式会社は「ここ最近は一般の人の低糖質への関心も高まっている。クッキングスクールなどにも、低糖質に特化したレシピを教えるクラスがあり、弊社の粉をおろすこともある」と明かした。

ちなみに、同フェスティバル会場の一角でも紹介された『dancyu』のダイエットムックでは、「ロカボ」に特化した基の和食83レシピを紹介している。

糖質制限に対する意識が変わるような、美味さと健康への配慮を兼ね備えた「ロカボ」で、食べることを諦めないヘルシー生活をはじめてみてはいかがだろうか。
松本玲子
  • 低糖質なパスタ風ヌードルを自宅で作ることを可能にした鳥越製粉の取組みも紹介されていた
  • オリジナルのロカボフード・ロカボスイーツを考案している辻口博啓シェフ
  • ハンバーガーだって、バンズや素材を工夫することで糖質をコントロール可能
  • dangyuダイエットでもロカボを紹介
  • 北里研究所病院糖尿病センター長でもある山田悟氏
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