【2013-14秋冬メンズコレクション】層の厚さを示した2013 A/Wロンドンコレクションズ:メン

2013.01.16

2013 A/Wメンズコレクション・シーズンは、1月7日、ロンドンからスタートした。「ロンドンコレクションズ:メン」は、昨年夏のオリンピック開催に合わせて始まり、「バーバリー(Burberry)」のクリエイティブディレクターをつとめるクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)やアメリカデザイナー・トム・フォード(Tom Ford)も運営委員会に名を連ねる。王室や政財界のサポートも受け、今回が2シーズン目の開催。

近年、ミラノパリでレディースのトレンドを反映したメンズファッションが目立つ中、ロンドンでは、高級スーツの代名詞「サヴィル・ロウ」から、長年にわたってモード界を牽引する「ヴィヴィアン・ウエストウッドVivienne Westwood)」、ファストファッションの「トップマン(TOPMAN)」、セントマーチンズを卒業したばかりの新進気鋭のデザイナー「クレイグ・グリーンCraig Green)」まで、あらゆるジャンルを網羅し、メンズファッションの歴史と未来を担う英国ならではの層の厚さを印象づけるコレクションとなった。

サヴィル・ロウで服作りを学んだブランドルーツを持つアレキサンダー・マックイーン(Alexander Mcqueen)は、今回ロンドンで初めてメンズウエア・コレクションを発表。セントマーチンズ出身のクリストファー・ケイン(Christopher Kane)は、ドラキュラやフランケンシュタインといったモンスターをモチーフに、グローバルマーケットにアピールするリアルクローズを提案した。

全体的には、伝統的な英国メンズファッションへのオマージュを色濃く感じたが、そんな中で異彩を放っていたのは、アイルランド出身のJ.W.アンダーソン(J.W.Anderson)。同じ若手デザイナーのC.グリーンが自身のデザインの特徴を「男らしさ」と語っているのに対し、アンダーソンは、ラッフル付きのショーツやスカート、フリルをあしらったニーハイブーツなど、自身のレディースコレクションにも登場した女性的アイテムやディテールを引用し、メンズウエアに仕立て上げた。コレクションのタイトルはMathematics of Love(愛という数学)。彼にとってレディースウエアとメンズの境界線はあいまいで、「相互に交換可能」というのがそのデザイン哲学だ。
岡本恵美
  • トップマンデザイン2013-14AW
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