今このタイミングで口紅の買い換えを考えているのなら、ぜひ手に入れて欲しいのがバームリップ。ここのところ人気急上昇のアイテムです。
今、求められているのは、口紅的な発色とリップケアを足したような質感
思えば2000年代前半から中盤はグロスの全盛時代。当時の若者世代は「口紅? 塗ったことありません」と言っていたものでしたが、2010年代になってから少しずつスティック口紅がリバイバル。次第に色も、ヌード系からじょじょにじょじょに赤みが戻り始めました。
それでもグロスに慣れた目には、バッキリはっきりの発色ではなく、ゆるい色みの口紅のほうが断然使いやすい。それで透明感と空気感をはらんだ発色が「グロッシー」と呼ばれて人気を得ました。スティックで塗っているのだけれど、マットにべっとりつくのではなく、グロスのような輝きやツヤの中に色が出る感覚。同時につけ心地もグロスのようなふるふるな保湿感。
そしてこの春から目立つのが、バームリップという存在。バームとはそもそもは軟膏のことですが、最近のバームが表わすものは「体温で溶けてオイル系保湿が発動し、バターがとろけるようになめらか~に伸びてピタっと密着する質感」のこと。それを口紅に応用したのがバームリップといえるでしょう。
人気の秘密は強力保湿と適度なツヤ感
人気の秘密は何かというと、まずは強力保湿で唇が守られる点。これがストレスフリーの快適さを感じさせてくれます。今の女性のライフスタイルは、朝、リップを塗ったら夜遅くまで、ほぼ1日中リップメイクをつけている生活です。だから塗る時の滑りのよさだけでなく、唇に密着した後の快適さもとても重要。
バームリップの質感は「唇を保護するベールだけれど口紅としての発色も伴っている」という感触。だから保護膜によって縦ジワも目立たないし、乾きが少ないため1日にそう頻繁には塗り直さなくてもOK。また、これ1本でリップクリームの役目も兼ねるから、時短メイクであると同時に、ポーチの中身も軽くできてしまいます。
次に、そこそこちゃんと色が出ると同時に適度にうるっとしたツヤ感が実現できる点。どちらも行き過ぎないほどほどさがポイントです。今のファッションは、全力投球で頑張るのではなく、決まりすぎていないほっとできる余地を残す「エフォートレス」が鍵ですよね。メイクアップも同じ流れにのっています。だからCCクリームで作る「覆いすぎない」ベースメイクが流行るわけで、抜け感のあるゆるめ発色のバームリップで作る口元は、そうした時代性にもマッチしているのです。
■edit & text:渡辺佳子
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