10月7日、銀座三越5階のメンズフロアがリモデルオープンした。「GINZAジェントルマン」のビジネスシーンを新たに提案した同フロアのコンセプトを、正木美地マネージャーに聞いた、第2回目。
――「GINAZAジェントルマン」の特徴を一言でいうと、どういうテイストなのでしょうか?
「GINZAジェントルマン」の特徴は、常に紳士的で周囲への気配りを忘れず、節度と礼儀をわきまえ、時代の中心に身を置き、「本物」「本質」の中に、遊び心を持っていること。だから、メンズフロアの商品にはちょっとした“外し”感覚や、“くすぐり”ポイントがあります。そこが伊勢丹新宿店メンズ館や日本橋三越本店とは違うところかもしれません。別の言い方をすれば、色気や艶ですね。形はベーシックなのに、色が今っぽい。我々が言うところの「最旬」とは、そういう意味でもあるんです。
――今回のリモデルでは、全フロアで「銀座スタイル(ジャパンフィルター)」を強調されていますね。
「ジャパンフィルター」の商品は、各アイテム、ショップ内で、歳時期などで展開を拡大し、さらに「旬」や「NEW」の商品をクローズアップして展開を強化いたします。
――インバウンドのお客様に対しては、ジャパンを強調した方が提案しやすいのでは?
国慶節や春節などには、各ショップでの展開を拡大して、インバウンドのお客様にご提案していきます。今のアジアのお客様は、ブランドにこだわらず「良いもの」「高感度なもの」を選ばれます。それがジャパンメイドだったらより購買意欲が増す、ということ。以前のような海外ブランド志向、メイド・イン・ジャパン信仰からはずいぶん変わりました。アジアのお客様にも、日本の感性(カラーリングやフィット感)を加えてアレンジした商品などに非常に興味を持たれ、ご購入されるようになりましたので、各ショップ単位で、こうした「ジャパンフィルター」商品をクローズアップした展開を実施してご提案していきます。
――感度の高さという点で、(日本とインバウンドのお客様に)違いはあるのでしょうか?
国内のお客様とインバウンドのお客様の「感度」や「こだわり」に違いがなくなりつつあります。ファッション感度の高いインバウンドのお客様はかなり増えました。特に銀座三越には、「高感度な商品」「拘りの商品」をお求めになる方が増えています。特に春節、国慶節の時期は、例えば靴だと国内のお客様でもかなり“感度・拘り”のお客様が好まれるブランド、イタリアの「サントーニ(SANTONI)」やスペインの「マグナーニ(MAGNANNI)」がよく売れます。
――5年前に増床リモデルした時に比べると、メンズフロアの売上はどのように変化していますか?
毎年、前年の2ケタの伸びを実現しています。また目標値に対しても大幅増で推移しています。それに寄与しているインバウンドの売上は、現在、全体の約2~3割を占めています。アジアの高感度なお客様はブランドを知らなくても、自分の価値観でこれらの靴を選ばれるのです。スーツの生地なども同じですね。
――銀座の百貨店のメンズフロアはこの秋、リニューアルラッシュです。さらに現在、工事が進められている数寄屋橋交差点の「銀座5丁目プロジェクト」や、松坂屋銀座店跡地の「銀座6丁目プロジェクト」など、新店舗がオープンすれば、銀座の百貨店はさらに激しい競争の時代に入ります。未来に向けた銀座三越メンズフロアの戦略を教えてください。
リモデルコンセプトである「GINZAジェントルマン」にさらに共感していただくために、商品・展開・環境・販売サービスに至るまで、常に「GINZA ジェントルマン」に相応しいのかを追求して参ります。また、そういうお客様に共感していただきたいために、メンズフロアは編集を軸とした売場作りをしました。「GINZA ジェントルマン」というお客様像に合わせて編集した売場が、自分軸で商品を選ぶお客様、自分流のアレンジを大切にされるお客様の支持をどれだけ得られるか。そこを見極めながら、新たなメンズフロアを創造していくつもりです。
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