美術家の奈良美智による展覧会「Shallow Puddles」が、11月14日まで東京・明治神宮前のギャラリー、ブラム・アンド・ポー(BLUM&POE)にて開催されている。
同展では、キャンパス生地がパッチワーク状に貼りつけられた丸皿に描かれたペインティング作品を展示。04年に大阪のgraf media gmで発表された6作品と、06年に青森の吉井酒造煉瓦倉庫にて発表された6作品を合わせた計12作品が一堂に会した。作品は丸い皿にひとりの女の子が描かれたもので、女の子は大きな瞳でこちらを見据えながら、また目線をそらしながら、観る者の視線をとらえる。壁に掛けられた絵皿はまるで水につかった世界への入り口にも見える。それぞれの作品は背景や人物のみならず、色彩、形、構図の巧みさへと観る者の目を向けさせる、伝統的な肖像画を超越するようなイメージを生み出している。
また同展と合わせて、これまでに奈良美智との数々のプロジェクトで密接な関係を築いてきた青森県立美術館の学芸員である高橋しげみによるテキストを掲載した和英バイリンガルの展覧会カタログも刊行される。