10月7日、高島屋が東京・日本橋に、初の路面店形式となる売場「タカシマヤ ウオッチメゾン」(東京都中央区日本橋3-1-8 スターツ日本橋ビル)をオープンした。
同売場は元々、高島屋日本橋店本館6階フロアの一画にあった「時計・宝飾品」売場から、時計売場のみを移設して新設したもの。移設先は、本館正面出口に面した中央通りを挟んだ斜め向かいに建つ建物内1階・2階である。
移設に伴い、空間演出の担い手として白羽の矢が立ったのはチームラボ。指名を受けた彼らがまず考えたのは、全83ブランドという世界最大級の品ぞろえを誇る“時計の館”に、いかにして通行人に足を踏み入れてもらうかということ。結果、ファサードに設置されることとなったのが、デジタルアート作品「Flowers in the Sandfall」だ。
全長8メートル、流れ落ちる砂の奥に季節の花が咲き誇るの同作品は、人が正面に立つと、センサーが感知して波が割れていくという不思議な体感ができる。さらに、奥の花々が店内へといざなうように咲き乱れ、観る者の心を魅了していく。
オープン前日のプレス内覧会に出席した、チームラボ Catalyst team プロダクトチームマネージャー・中村洋太氏によると、砂や花の動きはプログラムによって瞬間瞬間に生み出されているもの。二度と同じ景色を観ることができない自然の世界と同じなのだという。また、10月中に作品内で咲き誇る花はコスモスだが、花の種類は月ごとに変化するため、建物の前を通るたびに何度でも見たくなるのも特徴だ。
作品は、ファサードに6つと建物内の階段踊り場に1つの、合わせて7つ。いずれの作品内にも時計の長針と短針が埋め込まれているが、ファサードのものはそれぞれ、ソウル、台北などの都市の時間にセットされており、踊り場のものは現在の東京の時刻にセットされている。
この仕掛けは、流れ落ちる砂や季節の移ろいを感じさせる花々と美しく融合。道行く人々までもが、都会の真ん中に居ながらにして、知らずと時間の迷宮へと迷い込んでしまうはず。