7月24日に2ndシングル『愛犬アンソニー』をリリースしたアイドル・ユニット、リンダ3世がネットやメディアをにぎわせている。
リンダ3世は群馬県育ちの日系ブラジル人5人組で、メンバーは中学3年生で双子のサユリとシオリ、中学1年生のサクラ、ナオミ、ムツミ。今年3月にシングル『未来世紀 eZ zoo』でデビューした。彼女たちは日系ブラジル人コミュニティーがある群馬県大泉町や太田市、伊勢崎市に在住しており、現在も群馬県内を中心に活動を行なっている。
1990年の出入国管理法の改正でブラジルやペルーの日系人が日本で就労しやすくなったことを背景に、大泉町周辺に所在する工場が労働者を積極的に誘致した結果、日系ブラジル人コミュニティーが形成され、メンバーのサクラを除く4名が幼少期にブラジルから日本へと移住してきた。
彼女たちが所属する事務所の社長が日系ブラジル人の女の子の美しさに着目し、日系ブラジル人によるアイドル・ユニットを結成しようとオーディションを開催。現在のメンバーが選ばれ、レッスンを積み重ねた末にデビューを果たした。
日系ブラジル人というユニークさ、日本語とミックスされて歌われるポルトガル語が持つ独特の語感、そしてブラジル産のファンク・ミュージックとヒップホップやテクノがミックスされたバイレファンキやサンバを取り込んだハイブリッド感のあるポップサウンド。それらはリンダ3世だけのものであり、そうした個性と魅力がネットを中心に広まり、現在は7月27日、28日に行われる「東京アイドルフェスティバル2013」や8月の「サマーソニック2013」などの大型フェスティバルへの出演が決定するまでに、その人気が高まった。
北野武監督の映画『TAKESHI'S』やアニメ『輪廻のラグランジェ』などのサウンドトラックや、スマップや柴咲コウらの楽曲を手掛けるクラブミュージック畑のユニット・tomishiroが作曲・編曲、ももいろクローバーZやでんぱ組.incたちアイドルからアニソンまで手広く手がける只野菜摘が作詞と、脇を固める制作陣も万全。アイドル・ファンがメインの客層ではない“アウェー”のサマソニで、どこまでその魅力を発揮できるか。ロック・ファンの心をわしづかみすることができれば、一気にポストももクロへの道が開いていきそうだ。それだけに今後の彼女たちの動向は要注目と言える。