京都の粋人たちが選ぶ、お洒落な手土産のシリーズ連載。第6回目は関西を地盤とする出版社「京阪神エルマガジン社」別冊編集室・室長、村瀬彩子さん。
別冊編集室を統括するほか、書籍の編集も担当。柴崎友香著のエッセイ「よう知らんけど日記」は8月下旬に発売予定。書籍の編集を手がける村瀬彩子さんは、作家やアートディレクターとの打ち合わせの際、手土産にすることが多いとか。そんな村瀬さんのオススメは老舗の昆布専門店の「ぎぼし」の吹よせ。
「初めて会う方は甘いものが好きかどうか、好みがわからないので、『吹よせ』を持っていきます。お茶うけだけでなくお酒の供にも使えるので、男性にも喜ばれます。自分用に袋入りをよく買うんですが、油で揚げていないので、後味がよく、ついつい食べ過ぎてしまいます」。
ぎぼしは、明治元年創業、とろろ昆布やだし昆布、細工昆布を扱う昆布専門店。創業当初は昆布・付きだし物商としてこのわたなど、酒の肴も販売していたため、『吹よせ』もその一つとして作られたそう。浮世絵師・安藤広重作「京都名所之内 淀川」をあしらった缶のなかには、あられや豆菓子、昆布など、20種類以上の味が詰められている。カレー味やウニ味に仕上げた空豆、海老をプレスして焼いた煎餅、ほいろ昆布など、一つひとつに趣向が凝らしてあり、老舗の仕事を感じる上質なおいしさ。
「ぎぼし」
京都市下京区柳馬場通四条上ル
075-221-2824
営業時間/9:00〜17:30
日曜・祝日休
http://giboshi.kyoto-shijo.or.jp