資生堂は、100%子会社の「資生堂インド」を7月4日、ムンバイに新設した。インドの中間所得者層を対象とした「マステージ領域」に新規参入する。
1997年より資生堂の名を冠さずアジアを中心に展開するスキンケア・メイクアップブランド「ジーエー(Za)」の導入、商品の輸入及び卸売りを、資生堂インドを通じて行う。2014年4月にジーエーを発売し、急拡大するインドのマステージ市場において比較的価格帯が高いエリアに注力。14年末までにムンバイ、デリーなど主要都市の組織流通チャネルなどで250店、翌年650店、18年には1,700店規模を目標に展開する。
資生堂は、2001年より現地代理店「バッカローズ(Baccarose)」経由で、プレステージ化粧品、グローバルブランド「シセイドー(SHISEIDO)の販売を開始。以後、高級デパート約30店で売り上げを拡大。02年より在仏100%子会社「ボーテプレステージ・インターナショナル(Beaute Prestige International)」が扱う「イッセイミヤケ(Issey Miyake)」などのデザイナーズフレグランスブランドも、バッカローズを通じて販売し、現在約120店で展開している。マステージ市場のマーケットサイズはプレステージ市場の8倍程度あると推測し、11年よりムンバイに駐在員事務所を設立して現地の嗜好やマーケティング調査を重ねてきた。
資生堂が将来のあるべき姿として掲げるのは「日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー」。海外売上高比率は3月期で44.9%と、50%超えも視野に入ってきた。今回の資生堂インド設立により、ブラジル、ロシア、インド、中国のブリックス(BRICs)諸国すべてにおいて直接投資を開始したことになる。