映画監督、脚本家のウォン・カーウァイ(王家衛)は、1958年7月17日生まれ。中国・上海出身。
5歳の時に香港に移住。大学卒業後にテレビの現場などで経験を積み、脚本家として映画界へデビューした。88年の初監督映画『いますぐ抱きしめたい』が、カンヌ国際映画祭で上映。続く90年の『欲望の翼』では、スローモーションや手持ちカメラを用いた映像表現が評価され、様々な賞を受賞した。
94年の『恋する惑星』は、短期間で制作されたにもかかわらず、カーウァイや主演のトニー・レオン(梁朝偉)、金城武の名を一躍有名にし、世界中で大ヒットとなった。アルゼンチンで撮影した『ブエノスアイレス』では脚本を書かず、即興による演技をさせるという手法で、1997年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、一流監督としての地位を不動のものにした。
以後、セザール賞に輝いた『花様年華』、木村拓哉が出演し話題となった『2046』、ノラ・ジョーンズ主演の初英語作品『マイ・ブルーベリー・ナイツ』などはすべてカンヌ国際映画祭でプレミア上映されており、2006年には同映画祭の審査委員長も務めた。
現在公開されている最新作『グランド・マスター』には、何度もタッグを組んでいるトニー・レオンやチャン・ツィイーなどアジアの映画スターが集結。2月に開催された第63回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映された。