ヒットアイテムがないといわれるレディースカジュアルパンツ市場だが、昨年秋口から明るいカラーのパンツが密かに注目を集めている。
既に昨年夏の自社展示会で、国内洗い加工最大手の豊和(岡山・倉敷市児島)は製品染めの明るい色彩のカラーパンツを提案していた。また、岡山県井原市の大手洗い加工場、西江デニムも明るいカラーパンツの評価が高い。この2社は洗い加工場であるので、製品を製造しているわけではなく、製品の染色を手掛けている。
特に、西江デニムは国内工場で手掛けている中白の製品染めカラーパンツの評価が高い。ブルーデニムは通常、経糸(たていと)はインディゴ染めした綿糸、緯糸(よこいと)は染めていない綿糸で織る。インディゴ染めした糸だが、繊維の中心部分まで染まっておらず、中白や芯白と呼ばれる状態となっている。ブルーに染まった周りが摩擦や洗濯で剥げ落ち、中心の白い部分が浮かび上がる。これがデニムの色落ちの原理となっている。
西江デニムの加工は、製品染めでありながら、繊維の中心部分を染めず中白の状態とすることでブルーデニムと同じような色落ち感を再現した。
秋冬で既に明るい色彩が注目されていたので、今春夏はさらに色彩は明るくなりそうだ。若い女性層のジーンズ離れが起きて、既に数年が経過している。明るいカラーパンツで、幾分かでも巻き返すことはできるだろうか?