クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)によるディオール オム(DIOR HOMME)は6月25日、パリ16区のテニス クラブドゥ パリを会場に2017年サマーコレクションを発表した。
コレクションは「Fun Fair(遊園地)」と題され、ランウェイにはジェットコースターの線路を思わせる、色とりどりの電飾の付いた鉄枠製のオブジェが設置されていた。80年代に隆盛した英マンチェスターのクラブ、ハシエンダに集まっていたニュー・ウェーヴやパンクに傾倒する若者たちや、遊園地に集う思春期の少年たち特有のアティチュードを彷彿させるシルエットをミックスしている。
テーラードジャケットにはハーネスのようなアクセサリーを飾り、細身のスーツには全身にアイレットを打つ。ブルゾンとバギーパンツのセットアップは、端切れを色糸でハンドステッチした素材で構築され、アイレットを打ったノースーリーブジャケットとクロップドパンツのセットアップには、赤いシューレースを縦横無尽に走らせている。それらパンク的要素を前面に出したアイテムは、クチュールメゾンによる高度な技術を必要とするアイテムばかりだ。
ダメージを受けたガーゼを貼り合わせたかのようなジャカードのスーツや、ほつれたような糸が垂れる立体的なジャカードのスーツなど、このメゾンらしい素材使いも目を引く。また、現代画家・亀井徹の油彩作品をプリントした素材をカットし、更にハンドステッチしたアイテムも注目を要するだろう。