来シーズンの“a la mode”は何か。14-15AWパリコレクションを振り返り、歴史的背景も踏まえ次にやってくるトレンドを読み解く。今回は拡大し続けるシルエット。
ココ・シャネルの頃から、女性達は男性の服をワードローブに加えていた。その変遷はユニセックス、アンドロジナス、ジェンダーレスというキーワードとなり、ファッションを活性化させた。映画『アニーホール』でダイアン・キートンは、だぼだぼの男性服を着て登場し新鮮な驚きを与えた。男性の大きな服をそのまま着る発想は、オーバーサイズの服を生み出した。
デザイナーが女性像を描く時、オーバーサイズとロング&リーンのシルエットは違う個性の女性を表す手段に使われてきた。14-15AWの傾向として浮上したのが、両方のシルエットを混在させるブランドの登場だ。とはいえ、クチュール系のメゾンは、着る人のサイズに合った服作りが基本だからか、ボディに寄り添うシルエットを中心に展開している。プレタ系メゾンにとってオーバーサイズのシルエットは、今や定番となり、更にこのシーズンのようにロング&リーンシルエットと混在させることで、ビヨンド・ジェンダー(男女差を越えて)を表現しているのだろう。
詳細は写真キャプションに付記。写真は順に
「セリーヌ(CELINE)」
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」
「エルメス(HERMES)」
「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」
「ミュウミュウ(Miu Miu)」
「クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)」
「サカイ(sacai)」
次はジッパーとスニーカー。