来シーズンの“a la mode”は何か。14-15AWパリコレクションを振り返り、歴史的背景も踏まえ次にやってくるトレンドを読み解く。最後は俄然人気のクラッチバッグ。
実はクラッチバッグの歴史は、意外に古い。1910年代には、社交界に出入りする女性達は、クラッチバッグ持ち、その中には口紅と練り香水、連絡先を交換するためのメモ紙とペンシルと小さな財布を入れていたという。20年代にはアールデコ調、60年代にはスリムで長いもの、70年代にはソフトなもの、と当時のファッションにマッチしたスタイルで登場した。
1990年代後半になると、ハンドバッグブームが起こり、エディターズバッグ、アイコンバッグと呼ばれる中・大型のバッグに注目が集まり、働く女性はA4サイズの書類が入るバッグが一つの目安となり、クラッチは影を潜めた。
14-15AWコレクションで目を引いたのは、ランウエイを歩くモデルが持つクラッチバッグだ。しかも小型化と薄型化が進行中の模様。電話とタブレットと手帳とカメラと、1台で幾つもの機能を備えたスマートフォンの普及で、バッグの中身が画期的に簡素化された結果、バッグも軽くて小型な方がスタイリッシュという結論が出たのかもしれない。実用性が優先されるバッグだが、アクセサリー感覚で持つクラッチの需要も高まっていくのだろう。
詳細は写真キャプションに付記。写真は順に
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」
「シャネル(CHANEL)」
「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」
「ディオール(Dior)」
「ランバン(LANVIN)」
「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」
「ニナ リッチ(NINA RICCI)」
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」
「クロエ(Chloe)」