来シーズンの“a la mode”は何か。14-15AWパリコレクションを振り返り、歴史的背景も踏まえ次にやってくるトレンドを読み解く。今回はラグジュアリーになったジッパーとスニーカー。
時代を作るファッションのトレンドセッターは、既成概念を打ち砕くことから新しい一歩を踏み出してきた。エルザ・スキャパレリはオートクチュールに初めてジッパーを持ち込み世間を驚かせた。その後ジッパーは、下ろす行為がセクシーなイメージと結びつきセクシーの象徴となり、70年代にはパンクスタイルの象徴となった。
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアーティスティックディレクターに就任したニコラ・ジェスキエールは、14-15AWコレクションでジッパーを多用した。「シャネル(CHANEL)」も、オートクチュールに続き、足下は相変わらずスニーカーだ。気取りのないカジュアル気分なジッパーとスニーカーの登場は、エレガンスと直結していたラグジュアリーに、新しい価値観を与えている。H&Mと最初にコラボレーションしたカール・ラガーフェルドは、ファストファッションの醍醐味さえも会得し、ラグジュアリーにカジュアルマインドを取り入れることで、モダンを表現、ニコラの新しい挑戦にも目が離せない。
詳細は写真キャプションに付記。写真は順に
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」
「シャネル(CHANEL)」
「バレンシアガ(BALECIAGA)」
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN」
「ディオール(Dior)」
「セリーヌ(CELINE)」
次は視覚遊び。