ドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物』が2013年3月30日より公開される。世界中で話題を呼んだ前作『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』(2008年)に引き続き、ニューヨーク在住のアートコレクター夫妻の姿を追う。
元郵便局員のハーブと図書館司書のドロシーは、つつましい給料ながら1LDKの部屋を起点に世界屈指のアートコレクションを築き、最後まで一点も売ることなくすべてをアメリカ国立美術館に寄贈すると発表した。しかし半世紀を経て5,000点近くなっていたコレクションは、収蔵先であるアメリカ最大級の国立美術館でも全てを引き取るのは不可能。夫妻は50作品を50州に寄贈する「50×50プロジェクト」を発表。本作はアートの寄贈先プロジェクトを中心に展開し、コレクションを受け取った全米10の美術館に向かう。夫妻は50年前と同じアパートでひっそりと年金生活を送っていたが、ついにハーブがこの世を去り、残されたドロシーは予想外の宣言をする。
監督・プロデューサーを務める佐々木芽生は、インターネットを使い少額を多数の支援者から募るクラウドファインディングにより本作の資金を調達した。欧米ではここ2年ほどで広まりつつあり、自分たちに可能な範囲で支援するという、正にハーブ&ドロシー夫妻のスピリットを受け継いだ手法といえる。
【作品情報】
ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物
製作:2013年アメリカ
監督・プロデューサー:佐々木芽生
出演:ハーバート&ドロシー・ボーゲル、リチャード・タトル、クリスト、ロバート・バリー、パット・ステア、マーク・コスタビほか
上映時間:87分
配給:株式会社ファイン・ライン・メディア・ジャパン
2013年3月30日より新宿ピカデリー、東京都写真美術館ほか全国順次ロードショー