モエ・ヘネシー・ディアジオ(MHD)株式会社は、各国のワインをテイスティングしながらワインメーカーと直接対話し、ワイナリーの特徴、こだわりなどを知ることの出来るイベント「グランドワインテイスティング2014」を5月19日に開催した。2008年より2年に1度開催され、4回目となる今回、同社で取り扱いのある8ヶ国9ワイナリーからワインメーカー9名を迎え、55種のワインをそろえた。
オーストラリアの「シャンドン(CHANDON)」のシニアワインメーカーのダン・バックル氏がおすすめするのは、スパークリングワイン「シャンドン・ロゼ(CHANDON ROSE)」。チェリーやストロベリーを感じさせる甘い香りと、わずかな酸味のバランスが良く、刺身やグリルした魚介等和食との相性が良いのが、日本で好評を得ている理由だと説明。
カリフォルニア・ナパヴァレーの「ニュートン(NEWTON)」では、環境保全型農法を採用した醸造を行っており、生態系との共存を意識して敷地の20%にしか植樹せず、更に土壌には農薬を一切使わないというこだわりを持つ。ワインメーカーのクリス・ミラード氏がおすすめするのは、「アンフィルタード・シャルドネ2011」。旨みを凝縮させることの出来る無ろ過製法で製造されており、「黄桃、マンゴーなどの果実味が爽やかで、 夏に向けてぴったり」と同氏。こちらは常温で飲むワインとされているが、夏にはほんの少しだけ冷やして飲むのが最適だという。
古代ローマ時代から続く伝統のあるスペインの「ヌマンシア(NUMANTHIA)」は、凝縮度の高いテンプラニーリョというブドウから製造。1ヘクター ル2,000キロから3,000キロの収量は世界で最も少ないレベルで、全て手摘みされる。力強く、長い余韻の残る赤ワインは、トロの刺身や、さしの入った和牛や豚、鉄板焼きなどに最適とエステートディレクターのマヌエル・ルザーダ氏は話す。
「テラザス・デ・ロス・アンデス(TERRAZAS de los Andes)」はアルゼンチンのアンデス山脈に農園を持つ。海の影響を全く受けない大陸性の気候のため、標高差により平均気温が異るという地域特性を生かし、それぞれの場所に適した品種のブドウが育てられている。また、非常に乾燥した気候のため病害を受けず無農薬での栽培が可能。畑への給水にアンデス山脈の雪解け水を利用しているのも特徴だ。海抜1,800mで造られたは清涼感のあるカジュアル向けの白ワイン「レゼルヴァ・ト ロンテス」、海抜1067mで造られたダークチェリーのコンフィのような凝縮感のある味わいの赤ワイン「レゼルヴァ・マルベック」などが人気。
その他にも、2005年アメリカのワイン誌ワイン・スペクターが発表する世界100選のヴィンテージ部門で1位に選ばれた「ラポストール・クロ・アパル タ」を製造している「ラポストール(Lapostolle)」、3世紀以上の歴史を持つポートワインの「テイラー(TAYLOR’S)」、オーストラリア のマーガレットリヴァーで格式高い歴史を持つ「ケープ・メンテル(CAPE MENTELLE)」、ソーヴィニヨンブランで高い知名度を持つニュージーランドの「クラウディー・ベイ(CLOUDY BAY)」、今年8月よりモエ ヘネシーが順次販売を開始するイタリアワインブランド「ボローリ(BOROLI)」も紹介された。
また、今回のスペシャルゲストとして、世界のワインの資格の中で最高峰といわれるマスターオブワインの中からアジアを拠点とし活躍しているアネット・スカーフ氏 が招かれ、ワインメーカー達と一緒に美味しいワインの特徴を紹介した。「様々な美味しいワインを皆さんに伝えることができ、非常に嬉しく思う」と同氏。マスターオブワインとはワインの資格の中で最高峰といわれ、約300名の中からアジアには4名存在する。