テニス選手のフレッド・ペリーは1909年5月18日生まれ。イングランド・ストックポート出身。95年2月2日逝去。
もともとは卓球選手として活躍していたが、20歳のときにテニスに転向。30年のウィンブルドン大会に初出場でいきなりベスト16位入りを果たす。更に33年の全米選手権では初のシングルス優勝を達成。翌年のウィンブルドン大会でもシングルスを優勝すると、そこからウィンブルドン3連覇の偉業を果たした。35年には全仏選手権でも優勝し、男子テニスプレーヤーとして初めての“キャリア・グランドスラム”(4大大会制覇)を達成する。
引退後は、当時から多くの選手が愛用していたリストバンドに目を付けた。以前から不満だった着け心地をなんとかしようと、従来よりも素材を軽く柔らかいものに改良。すると、現役時代からファッションリーダーとして知られていたペリーの知名度もあって、販売されたリストバンドはトッププレーヤーの間で一躍ヒット商品となった。
52年にはロンドンでフレッド・ペリー・スポーツウエア社を開業。ウィンブルドンからの許可を得て、月桂樹のマークを商品にプリントし、以降はこれが「フレッドペリー」ブランドのトレードマークとなった。開業当初に手掛けたテニスウエアの中で、ブランドがとりわけ人気を集めたのがシャツ。ルーズなシルエットが一般的だった当時としては革新的な、身体にフィットするシャツを開発した。
ウィンブルドンの開会式で、エリザベス女王にシャツの特徴を聞かれたペリーが「女王様、このシャツはフィットするのです」と答えたことは有名。テニスウエアとしてだけでなく、現在ではファッションブランドとしても広く支持されている。