建築家のホセ・ラファエル・モネーオ（Jose Rafael Moneo）は1937年5月9日生まれ。スペイン出身。96年にプリツカー賞を受賞するなど、スペインを代表する建築家として知られる。

マドリード工科大学の建築高等技術学校で学びながら、建築家フランシスコ・ハビエル・サエンス・デ・オイサの下で働く。同校の卒業後はデンマークに向かい、61年から62年までシドニーのオペラハウスを設計したヨーン・ウツソンに師事した。

63年から65年まで、ローマのスペイン・アカデミーの奨学生として学び、続く5年間はマドリードの大学「Escuela de Arquitectura」で講義を行った。70年から80年までバルセロナで開業し、その後再びマドリードへ戻る。80年代には、数々の建築物を手掛けつつも、ヨーロッパやアメリカの一流大学で講義を実施。85年から90年に掛けてハーバード大学大学院の建築デザインコースの長を務めた。

建築物が建てられる地域の“歴史や町並み”に合わせた設計を行うことで知られており、代表作はローマ時代の遺跡の上に建てられた「国立古代ローマ博物館」（86年）。また、ロサンゼルスの「天使のマリア大聖堂」（02年）は、近代トレンドと伝統的な北欧スタイルを融合させた独自のデザインで高く評価されている。01年から07年にはマドリードの「プラド美術館」の増築を担当した。