植物をオリジナリティのあるタッチで描く、ポーランド・ワルシャワの女性アーティスト「Bozka」が、ポップアップブック・シリーズ「New Botany」を作り上げた。本シリーズは全て手作業で作成され、それぞれこの世に1つしか存在しない。一度目にすると、吸い込まれるように細部まで覗き込んでしまう繊細なタッチと妖艶な配色で描かれている。
この「New Botany」プロジェクトは当初、立体的に表現するつもりではなかった。それぞれの作品を平面上で描き上げてから、これらを立体的に仕上げたら面白いものになるのではないか、と思いついたことからポップアップブックという形になった。日々のパソコン上での作業に疲れ果て、自らの手で何かを作り上げてみたいと思っていたという彼女の気持ちもきっかけのひとつとなった。
しかし彼女は、軽い気持ちで制作に取り組んだわけではなかった。このプロジェクトのためにポップアップブックの専門書をいくつか読み、なんとイギリスのウェスト・ディーン大学のポップアップブック制作の授業に一週間みっちりと参加したという。
1つの作品を完成させるまでにかかった時間は、3、4週間。「それは時間のかかる複雑な作業だったわ。1:1スケールのモデルを切ったり糊付けしたりの繰り返し! 自分の頭の中で描いているものと完全に一致するまで作業を続けたの。複雑な箇所では、組み立てに14時間かかった部分もあるわ」と、彼女の言葉からもうかがえるように、作品には相当なこだわりと努力、時間が費やされている。
リアルに描かれた植物や動物、昆虫が隙間のないほどにレイアウトされ、非現実的でファンタジックな世界を体験できる同作品。彼女は、アリスが不思議の国へ通じる穴に落ちた時のような感覚を味わえるような作品を作りたかった、と語る。
※本記事は (引用元: http://bozka.com/ )に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。