クリスチャン・ボルタンスキーの東京初個展が開催中、旧朝香宮邸でさざめく「亡霊たち」

2016.09.23

展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス―さざめく亡霊たち」が、12月25日まで東京白金台の東京都庭園美術館で開催されている。

フランスを代表する現代美術家、クリスチャン・ボルタンスキーは、写真古着、ビスケットの缶など、日常の素材を用いて生と死や記憶のテーマに向き合ってきた。その表現は、鑑賞者を内面的な思索に誘うと同時に、すでに失われたもの、ここにいない、あるいは、いたかもしれない存在への想像力も喚起する。

クリスチャン・ボルタンスキーの東京では初、そして、国内の美術館では26年ぶりの個展となる展では、「声」による新作を含む、日本未発表の作品を中心としたインスタレーション6点を本館と新館に展示。重ねられた歴史と往来した人々の記憶を宿す旧朝香宮邸の東京都庭園美術館ならではの空間と作品の対話によって、「亡霊たち」のさざめく舞台が展開する。

また、重要文化財である同美術館の建築自体にも目を向け、大切に保存されながら、美術館として更新し続けるアール・デコの邸宅の魅力を紹介する展覧会「アール・デコの弁 旧朝香宮邸の室内空間」も同時開催中だ。会場では、これまでに修復、復刻してきた創建時の調度品および、当館所蔵のアール・デコの時代に活躍した作家の作品、資料を展示し、旧朝香宮邸の室内空間に注目すると共に、ガラス、タイル、石、陶器などのディテールから建物の魅力を紹介する。なお、平日は館内での写真撮影が可能となる。

イベント情報】
「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス―さざめく亡霊たち」
同時開催:「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」
会場:東京都庭園美術館
会期:9月22日~12月25日
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※11月25日、26日、27日の3日間は夜間開館20:00まで(入館は19:30まで)
料金:一般900円、大学生720円、中学生・高校生および65歳以上450円
休館日:第2・4水曜日(11月23日は祝日のため開館)、11月24日
テキスト:中村陽介
  • 《アニミタス》(小さな魂)、2014年 
  • クリスチャン・ボルタンスキー、「心臓音のアーカイブ」展(2008年)展示風景
  • 《影の劇場》1990年 16のオブジェ(メタル、カードボード、ワイヤー、カセットテープ、木、葉など)、プロジェクター、ファン、コンバーター サイズ可変
  • 東京都庭園美術館 本館 大客室 シャンデリア《ブカレスト》 ルネ・ラリック作
  • 東京都庭園美術館 本館 大客室 天井
  • 東京都庭園美術館 本館 大客室 エッチング・ガラス扉 マックス・アングラン作
  • 東京都庭園美術館 本館 第一階段装飾
  • 東京都庭園美術館 本館妃殿下居間 バルコニー(部分)
  • 東京都庭園美術館 大客室
  • 東京都庭園美術館 大食堂
  • 東京都庭園美術館 正面玄関
  • 東京都庭園美術館 本館 正面外観
  • 東京都庭園美術館 本館 正面外観
  • 東京都庭園美術館 本館 正面外観
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