「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」の14-15AWコレクションは、14SSに続きリアルクローズと対極にあるウエアを披露した。テーマは「モンスター」。
「経験したことのない恐怖とか怒り。そういった深い感情を表現する方法として“モンスター”という形が合っていると考え、造形しました」とデザイナー川久保玲が語る今季。コメントと相違なく、臓物を抉り出したかのようなチューブに覆われたスタイル、オーバーサイズ過ぎるテーラードジャケット、袖だけのニットを編んだかのようなトップスなど、異形の怪物達が登場した。
多用されたニットはランダムに縫われ、結われて造形されたトップスや顔のみ除くワンピースなど様々なモンスターを形作る。統一されたレギンスも穴あきニットのプリント模様だ。
川久保は何を作ろうとしているのだろう。前シーズンから、自らの深い感情が化け物に姿を変え、美も醜もスタイルも擲ち、新たな抽象へと向かっているように感じる。