ミュージシャンのトム・ヨーク（Thom Yorke）は1968年10月7日生まれ。イギリス・オックスフォード出身。ロックバンド「レディオヘッド」のボーカル、ギターを務める。

生まれた時に左目に障害があり、6歳までに5回の手術を受けている。最後の手術後は1年間の眼帯生活を強いられた。また、父親の仕事の都合で引っ越しが多く、これが原因で同級生からからかわれることもあった。8歳の時にスパニッシュギターを貰い、10歳で初めてバンドを結成する。始めはギターを担当していたが、二つめのバンドでボーカルを担うようになった。

オックスフォード郊外の全寮制男子校に入学し、そこでベースのコリン・グリーンウッド、ギターのエド・オブライエンと出会い、3人でバンドを結成。さらに上級生であったドラムのフィル・セルウェイと、コリンの弟ジョニーもキーボードとしても加入し、レディオヘッドの前身である「オン・ア・フライデー」が誕生する。高校卒業後はエセクター大学に入学し、91年に同校を卒業。

バンド名をレディオヘッドに変え、92年にEP「Drill」でメジャーデビュー。翌年発表したシングル「クリープ」が大ヒットし、続く2ndアルバム「ザ・ベンズ」で人気を不動のものにした。さらに、3rdアルバム「OKコンピューター」でUKチャート1位を獲得し、その後リリースしたアルバムは4作連続でUKチャート1位となっている。

ソロ活動として、2006年にアルバム「ザ・イレイザー」を発表。2009年にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー（Flea）らとともに「アトムス・フォー・ピース」を結成し、ヨーロッパツアーを行うなど精力的に活動している。

また今年7月、音楽配信サービスのスポティファイのビジネスモデルが、若手ミュージシャンの育成のためにならないという意見から、自ら管理する音源を引き上げた。この姿勢が次世代のストリーミング配信に一石を投じるとともに、トム・ヨークが行ってきたこれまでのデジタル配信の姿勢に対して、標的の矢面にも立つことになっている。