伊勢丹新宿店は今期よりに新設されたソリューション営業部で、これまで各フロアに分散していたリング以外のブライダル関連ショップを集約。再開発戦略の一環として取り組んでいる専門性の高いサービスや、パーソナルなサービス強化の具体策として、4月24日に本館7階に「イセタンブライド(ISETAN BRIDE)」をオープンした。
同店はブライダル関連売上の約8割をリングが占めており、その他のMDやサービスへの買い回り強化が長年の課題であった。これまでMDごとに営業部が分かれていることが障壁となり、トータルなサービスが実現できなかったが、今期よりソリューション営業部が、リングを除くブライダル関連MDを全館縦串で統括する。
新設された「イセタンブライド」では式場紹介、結納品、引出物といった基本サービスから、ウェディングドレス、ブーケ、エステといったブライダルアイテムがトータルで提案される。また、品揃えや設備の規模も拡大。ウェディングドレスを取り扱うファッションゾーンの面積は約4倍に拡大。フィッティングルームも3カ所に増設した。
「トータルサービス実現のために、店頭の販売スタッフをブライダルコンシェルジュとして早急に育成していく。ブライダルを入り口として生涯顧客の創出を図っていきたい」とショップを統括する飯岡朋子セールスマネージャーはその方針を話す。
ドレスはラグジュアリー系のハイブランドを約20ブランド取り揃え、「ヴェラ・ウォン(Vera Wang)」をはじめ、新ブランド「ヴァレンティノ(Valentino)」「アルベルタフェルッティ(Alberta Ferretti)」「ポールカ(Paule Ka)」を展開。また、シューズは「セルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)」「ジュゼッペ・ザノッティ(Giuseppe Zanotti)」のウェディングラインを導入している。
アクセサリーは英映画『ザ・ノット(THE KNOT)』で話題となったロンドンのモードブランド「ギンタ(Ginta)」が初登場。その他にもクリエーティブディレクター、ワキリエ監修のもと、リングピローやペーパーアイテムといった演出小物の品揃えも充実させている。
従来、ドレスは販売のみの展開でだったが、ブライダル市場では約8割がレンタルという状況を踏まえ、レンタルのサービスも新たに開始。「マルケーザ(Marchesa)」「ジュンコヨシオカ(Junko Yoshioka)」「アムサラ(Amsale)」など直輸入ドレスを中心に品揃えされ、メンズのタキシードも合わせて提案されている。
「伊勢丹新宿店ではブライダルにかける一人当たりの金額は年々上昇傾向にある。晩婚化により年齢層も高くなり、自分らしく、こだわりを強く持った顧客が多い。その多様なニーズに応えるため、品揃えのグレードとテーストの幅を広げた」とファッションゾーンの品揃えを担当した伊勢丹新宿店ウェディングバイヤー萩野りさ氏は話す。
今年度の売り上げは、式場紹介や引出物を取り扱うサービスゾーンで前年比120%、ファッションゾーンでは前年比800%を目指す。8月には大規模なブライダルイベントも開催予定だ。