富山県高岡の老舗鋳物屋・能作が、その高度なものづくりの世界を紹介する展覧会「能作展2013」を、5月31日から6月25日までの期間、東京・表参道のアートスペース、アイ・オブ・ジャイル(EYE OF GYRE)で開催する。
3回目となる本展では、インテリアスタイリストの長山智美が高岡にある能作の工房を訪ね、倉庫の奥で眠っていた伝統的な鋳物を発掘してアップサイクル。仏具の花入れを照明器具に、華器をキャンドルスタンドにと、昔のプロダクトを生まれ変わらせ食卓にスタイリングし、「アップサイクルな食卓」として展示する。
また、新プロダクト「シズ・リボン(SUZU-RIBBON)」や、工房中から集めてきた、猫のブックエンドやUFO型の風鈴などシュールでキッチュなキャラクター達約70体を集めた「鋳物キャラクターズ(IMONO CHARACTERS)」も披露。鋳物の製作工程を映像で紐解く「製作工程シアター」や、新作プロダクトの販売なども行われる。更に、「タカオカ・クラフト・ムーブメント(TAKAOKA CRAFT MOVEMENT)」と題し、工芸都市として盛り上がろうとする高岡の動きを紹介する企画も同時開催する。
能作は、大正5年(1916年)の創業以来、富山県高岡の地に400年伝わる鋳造技術を守りながら、新技術や新商品の開発、異業種との協業なども積極的に展開。高岡銅器の魅力を今に伝えてきた。フランス・パリで催されるインテリアの国際見本市、メゾン・エ・オブジェやドイツ・フランクフルトのアンビエンテに出展し、その高い技術と独自のセンスは国内外から高い評価を集めている。
また、伊勢丹新宿店の3月6日のリモデルオープン時に話題を集めた、同店正面玄関のシャンデリアの復興プロジェクトは能作の主導の元、高岡の職人達が手掛けている。