グランフロント大阪の唯一の和装店が「ダナッド(DANAD)菱屋カレンブロッソ」。同店は単なる和装店ではなく、「カレンブロッソ」ブランドのゴム底草履によって和装業界から大きな支持を集めている。今回は自社メンズブランド「ダナッド」との初の複合業態。人気商品であるレディースのゴム底草履、メンズのゴム底草履、レディース向けバッグなどのほか、メンズのデニム着物をそろえる。
デニム着物は2年前にジーンズカジュアルブランド「フルカウント」と共同開発されたもので、通常のジーンズと同じように洗濯機で洗うことが可能。濃紺の状態で販売されているので、着込んで洗濯を繰り返すことで色落ちを楽しめる。
菱屋の廣田裕宣社長は「もともと和装をもっと楽に楽しめるようにと考えてゴム底草履を開発した。フォーマルな着物は当然必要だが、それ以外ではカジュアルに楽しめる要素があまりにも少なすぎた」と和装業界へ提言する。その上で「洋服とのミックスコーディネートをもっと可能にしたいとデニム着物を発想した。そこでフルカウントさんの手をお借りすることになった」と開発経緯を語る。Tシャツやショートパンツ、ブーツ、スニーカーなどと合わせて着こなしても違和感がなく、洋服感覚でコーディネートが楽しめる。
今回のグランフロント大阪の出店で、菱屋の直営店は6店舗目となる。これまではゴム底草履やバッグのみの店舗が多かったが、メンズのデニム着物の販売を行うため、同店舗では初めて試着室を設置。フォーマル一辺倒の提案が続いたため、需要自体が凋落している和装業界において、デイリーユースを提案することで需要を底上げしようという試みは即効性はないものの、長期的には効果が期待できる取り組みではないだろうか。