2014年にパリのボナパルト通りに復刻オープンし、ロンドンのドーバーストリートマーケットなどでも展開されるなど、注目のビューティストア「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(L'OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」(以下ビュリー)が4月1日、東京・代官山(東京都渋谷区恵比寿西1-25-9 B1)に上陸した。
1803年に創業したビュリーは、世界で初めて女性用香水を調合したことで知られるジャン-ヴァンサン・ビュリーが創業。蒸留師、調香師、美容専門家として、作家、オノレ・ド・バルザックの人間喜劇に登場する主人公のモデルになったとも伝えられている。
200年にわたりパリで高い地位を築いてきた総合美容薬局のビュリーは、2014年にセーヌ川への散歩道、ボナパルト通りに復活。東京店は台湾、ソウル、ロンドンに続いて5店舗目となり、ニューヨークにもオープンが予定されている。東京店はパリの創業当時のイメージに合わせ、天井画が描かれ、コントワー(総合カウンター)の奥にはアンピール様式の重厚な什器と、100以上の香水瓶や薬壺などが並び、19世紀の薬局に迷い込んだかのような空間に仕上がっている。
製品は古来の製法に忠実に従いながらも、最新美容技術を活かしながら改良し、パラベンやフェノキシエタノール、シリコンを使用せず、香水もグリセリンやアルコールを含まないのが特徴。原材料も手摘みのモノなどギリシア・ローマで古くから愛用されてきたレシピを元に、古来変わらぬ原料を世界中から集め、フェイス、ボディ、オーラルケアからメンズケアまでをカバー。オイル、パウダー、クレイ、インセンス、ポプリ、ストーン、スポンジ、櫛、ブラシ、爪切り、歯ブラシなど、商品構成は多岐にわたり、ギフトなどに箱やメッセージカードにカリグラフィーのサービスやキャンドルに刻印なども行われる。
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを立ち上げたラムダン・トゥアミは、パリのボン・マルシェや 、ロンドンのリバティなどとコラボレーションを行ったアーティスティック・ディレクターとしてファッション業界では有名な存在だ。フランス最古の歴史を誇る蝋燭の老舗ブランド「シール・トリュドン」を復興させたことでも知られており、今回彼とともに、コレットが発行したビューティマガジン『Corpus Magazine』の編集を手掛けた美容のスペシャリスト、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックが商品を監修している。
代官山から恵比寿に抜ける人目に付きにくい裏通りと出店の場所も独特。Webサイトもユニークで「BEAUTY RADIO」というコンテンツでは、日本の椿油職人の元を訪ねた様子を音声だけでレポートする番組がアップされている。
Text: Tatsuya Noda