1月22日、パリ発チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が伊勢丹新宿店で開幕した。世界10ヶ国、約80ブランドが集結した会場では、開店と同時に国内外のトップショコラティエが手掛けるチョコレートを求めて各ブースで長蛇の列ができるなど、華やかにスタートした。
午前中は、世界の人気ブランドのチョコレートが一箱で楽しめるセレクションBOXに加え、嵐・松本潤主演でドラマ化され開幕前から話題の人気漫画『失恋ショコラティエ』と「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」のコラボレーションショコラに顧客が殺到。後者には行列ができ、開店と同時に完売した。
「今年のテーマは”ラ・マジ(マジック)”。各ショコラティエが提案するオリジナリティー溢れるショコラはまさに“マジック”。こだわりぬいてセレクトしたカカオと、それぞれの母国を代表する素材を掛け合わせた新作ショコラを楽しんでほしい。また、昨年パリのサロン・デュ・ショコラで最高評価を獲得し、名実共に世界のトップショコラティエとなった青木定治氏、辻口博啓氏、小山進氏の3氏を始め、国内で注目を集める日本人ショコラティエを一堂にそろえている。そこも注目だ」と語るのは、サロン・デュ・ショコラを担当する三越伊勢丹・食品統括部の川口輝彦バイヤー。
青木が手掛ける「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」は、今年はブースを拡大して展開。人気の「東京焼き」を始め、テイクアウトアイテムを充実させたブースでは、行列に並ぶ顧客に青木自ら声を掛けて接客するなど、サロン・デュ・ショコラならではの光景も見られた。
また、パリで開催されたサロン・デュ・ショコラで初出品にして最高評価を受賞した「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」の辻口博啓は、「サロン・デュ・ショコラは、チョコレートとファッションが融合したイベント。初出品で初受賞できたのはとても光栄」とその特別な思いについてコメント。パリで絶賛された羅臼昆布からとったダシ=「うまみ」を閉じ込めた一粒のショコラ「ラ・マジ―うまみ―」など新作ショコラを披露している。
更に、東京ミシュラン2013でニツ星を獲得した新鋭フレンチの人気店「レストラン エスキス(ESQUISSE)」のシェフ・パティシエ、成田一世が手掛けるショコラが初登場。レストラン同様、素材そのものを活かしたショコラは、胡麻、トンカ豆、コーヒー、パッションなど成田シェフが影響を受けてきた国の文化の味がショコラに包含される。「ジャン=ポール・エヴァン氏もピエール・エルメ氏の元はレストランのシェフ・パティシエからスタートしている。自分もその1人として、これからの時代のショコラを提案していきたい」と成田氏。
その他、2011年から3年連続でパリ・サロン・デュ・ショコラでC.C.C.の5タブレットを獲得、最も権威のある「外国人部門最優秀賞」を11・12年に日本人として単独受賞した小山進が手掛ける「パティシエ エス コヤマ」からは、ぶどう山椒や赤味噌を使用し日本人のアイデンティティーを表現したショコラが登場。フランス・アルザスの魅力を表現する「ヨシノリ・アサミ」や、京都・銀閣寺前にショップを構える日本初のローチョコレート専門店「カカオマジック」、スイートアートデザイナーとして世界的にも知られる藤本美弥が手掛ける「パティスリー エチエンヌ」、昨年パリに自身のブティックをオープンしたばかりの新進ショコラティエ・吉田守秀が手掛ける「モリ・ヨシダ」など、国内外で話題の日本人ショコラティエが一堂に登場する。
同店では、本館6・7階催物場の2会場で27日18時まで開催。その後、ジェイアール京都伊勢丹、JR大阪三越伊勢丹(いずれも1月29日から2月14日)、名古屋栄三越(31日から2月4日)、岩田屋本店、丸井今井札幌本店(いずれも2月1日から13日)、仙台三越(2月5日から14日)で順次開催される。