ヴィダル・サスーン(Vidal Sassoon)は1928年1月17日生まれ。イギリス・ロンドン出身。2012年5月9日逝去。
5歳から11歳までユダヤ系孤児院で過ごし、14歳で美容師アドルフ・コーエンに弟子入りして経験を積む。1948年にはイスラエル国防軍に参加し、第1次中東戦争で戦った。帰還後は有名美容師レイモンド・ベッソーネに弟子入りして修行を積み、54年に26歳でロンドンのボンドストリートにサロンをオープンして成功を収めた。
63年、女優ナンシー・クワンのヘアを担当し、自身が考案した「クラシックボブ」スタイルで注目を集める。マリー・クワントやエマニュエル・カーンのためにも同様のスタイルを手掛けたことで知られる。64年には、大小五つのトライアングル(鋭角にカットされた箇所)から構成された「ファイブ・ポイントカット」を考案。指でかきあげてもすぐ元に戻るこのカットは世界のヘアモード界を一変させ、自身最大のヒット作となった。
65年にアメリカに進出し、その後もカナダやドイツなどに続々とサロンをオープン。69年には美容学校を設立した他、73年にはヘアケア製品の開発に携わるなど幅広く事業を展開させた。
私生活では4度の結婚を経験。2度目の相手である女優ビヴァリー・アダムスとは、夫婦でトーク番組の司会を務めたり、本を共同出版したりするほど仲が良かったが、80年に離婚している。2011年に白血病である事を公表し闘病生活を送っていたが、12年5月9日にロサンゼルスの自宅で亡くなった。10年に公開されたドキュメンタリー映画『ヴィダル・サスーン』で、その生涯を知ることができる。