僕はテキスタイルに恋をしているんだ。ーーそう語るのは、独自の解釈で伝統的なカーペットに手を加え、作品「Carpet」シリーズを生み出した、ファイグ・アフメッド(Faig Ahmed)。イランの北に位置するアゼルバイジャン共和国の首都、バクー出身のアーティストであり、ペインティング・ビデオ・インスタレーションを得意としている。
彼は、アゼルバイジャンの伝統である鮮やかなパターンが施されたカーペットに、かつて見た事のないような画期的な表現を組み込んだ。通常の伝統的なアゼルバイジャンのカーペットは、カラフルで規則正しくそろったパターンで一面を覆うものが多いが、彼が手がけたものにはその規則正しいパターンが途中で液体に変化したような表現になっていたり、モザイク柄へ切り返されたり、飛び出して見える立体的な柄をあしらったりなど目を見張るような手法が使用されている。
ファイグは古代からの伝統、カルトや文化を自分なりに調査し、それと対話することによってアートを創り出しているという。どの文化にもパターン(柄)というものが存在し、それらは似ているものもあれば逆に全く異なるものもある。しかし彼は、異なっていてもそのパターンを言語の単語や文節のように捉えることにより、理解のできるものに翻訳することができるのでは?と考えているそうだ。
「Carpet」のような独自性のある作品を作るために重要なものとは。彼が言うには、旅をすることが重要なのだそうだ。旅といっても実際に足を運んで経験するものだけでなく、瞑想を通じて自分の意識の中を旅することも非常に大きなインスパイアをもたらすという。
カーペットの他にも、造形物やインスタレーションにパターンをあしらった作品も多数発表しており、1月末よりロサンゼルスで開催されるアートフェスティバル「Islamic Art Now」にも参加する予定だ。
※本記事は (引用元: http://www.faigahmed.com/) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。