横浜シネマリンにて1月16日から2月12日までの2週間、近年に公開された写真家または美術家のドキュメンタリー映画にフォーカスした写真家特集「時代を生きる―3人の写真家と1人の美術家」が開催される。
写真家に追ったドキュメンタリー映画が続々と公開される昨今。同イベントでは、異なる時代や場所で生きる3人の写真家と、1人の美術家に迫った4作品のドキュメンタリーを公開。それぞれの芸術家たちが社会とどのような関わりを持ち、どのように生きてきたのか、写真家を通して芸術の本質に迫る。
今回公開される4本のうち、14年カンヌ国際映画祭のある視点特別賞も受賞した『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』は、ブラジル出身の写真家、セバスチャン・サルガドに迫ったドキュメンタリー映画。ガラパゴス、アラスカ、サハラなど地球上の最も美しい場所を求めて120カ国を飛び回り、人間の死や破壊、腐敗などをテーマにした作品を生み出すセバスチャン・サルガドの足跡が、息子のジュリアーノとドイツ映画界を代表する巨匠のヴィム・ヴェンダースのふたりの視点から描かれた。
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』は、ナニー(乳母)ながらに世界を熱狂させる15万枚以上の作品を生み出した元ナニー(乳母)のヴィヴィアン・マイヤーを題材にしたもの。死後に発売された写真集の売上が全米No.1を記録するほどの才能を持ちながら、生前1枚も公表することがなかった理由はなんなのか、ナニーをしていた女性がなぜそれほどまでに優れた写真を撮れたのかなどヴィヴィアン・マイヤーの謎に迫っている。
その他、石灰石鉱山や炭鉱、密集したビルの隙間に流れる川を収めた作品など、自然と人間の関係を緻密に描いた作品で知られる畠山直哉に密着した『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』、ドキュメンタリーともフィクションともつかない新たな映像表現で美術家の内藤礼の生きざまを描いた『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』を合わせた4作品が公開される。
なお、1月30日の『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』上演後には畠山容平監督の、同日の『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』上演後には中村佑子監督の舞台挨拶が行われる予定だ。