2月19日、ロンドンでトーガ（TOGA）が2017-18年秋冬コレクションを発表した。
今回のショー会場は築600年以上を誇るギルドホール（Guild Hall）。周りが近代ビルに囲まれている中で、中世の空間をそのまま残したかのような荘厳な雰囲気漂う歴史的建築物だ。

コレクションノートには“Hole, Classic Ornamentation, Skin（穴、クラシックな装飾品、肌）”と書かれていたが、その全貌は想像がつかなかった。ファーストルックはマスキュリンなスーツが登場。上下もシャツも光沢のある素材で、ボトムスの裾はフレアのクロップド丈。淡いブルーカラーのおかげか、攻撃的ではない優しいロック調に感じられた。ボタンホールではなくジャケットの内側に取り付けられたストラップで前部を閉じるという工夫に目が引かれ、ファーストルックから心を奪われた。スーツルックを一気にフェミニンへとシフトさせたのは、まるでおばぁちゃんから譲り受けたかのような、ヴィンテージ感のある大小のブローチたち。この装飾はClassic Ornamentationとして多くのルックで登場し、コレクション全体に華を添える存在であった。

続くルックでは、ドレスがサイド片方だけ丸くカッティングされている。ちらりと肌が見え隠れし、パンツに付いたブローチも顔を覗かせていた。中盤以降丸いカットはますます大胆になり、ウエストや足が露出されていく。しかしセクシーさが強調されたというよりも、肌も服の一部であるかのように楽しんでいるように見えた。カラーや素材、装飾物と生身の肌がコントラストを生み出し、肌も含めて一つのルックが完成するかのよう。対比して、PVC素材のようなドレスにサイハイブーツ、片方のスリーブだけファーが施されたウールのコートとグローブといった具合に、完全に肌を隠したルックも登場した。

アシンメトリーや異素材ミックス、左右異なるカラーのグローブを装着するなど、トーガ流のウィットに富んだ斬新かつ新鮮なデザイン。フィナーレを迎える頃には3つのキーワードは調和し、しっくり腑に落ちる見事なコレクションであった。